米国入りしたグレタさん、米国で初めて「温暖化対策を求める登校拒否(スクールストライキ)」を国連本部前で敢行。1000人の若者たちが一緒に座り込み(RIEF)
2019-08-31 21:35:52
米国入りしたスウェーデンの16歳のグレン・トゥンベリさんは、30日の金曜日、1年前から毎週金曜日に行っている「温暖化対策を求める登校拒否(School Strik))」をニューヨークの国連本部前に座り込んで実施した。グレンさんとともに、米国の少年、少女たち1000人以上が集結、トランプ政権の反環境・社会政策にうんざりしている若い世代に「グレタ効果」が広がる見方が出ている。
2週間のヨットでの大西洋横断航海を経て、28日午後にニューヨーク入りしたグレタさん。1日休んだだけで、30日午前中からスクールストライキに参加した。
国連本部前では、グレタさんが昨年夏からスウェーデンの国会議事堂前でストライキを始めたことに刺激を受けて、同12月からストライキを始めた14歳のアレキサンドリア・ビラセノールさんも参加。
アレキサンドリアさんは、「 グレタがこの場に来てくれるなんて。『金曜日のストライキ』を実践するすべての人は、グレタから真のパワーをもらえるわ」と興奮していた。
グレタさんは、一年前から使用している自らのプラカード「skolstrejk för klimatet(スウェーデン語で、『スクールストライキ』)」をヨットで持参、ここでも掲げ、米国の若者たちと一緒に座り込んだ。
グレタさんとアレキサンドリアさん、それにNGOの「Fridays for Future」のオーガナイザーを務める17歳のBastida Patrickさんの3人は、同日午後、国連内部に招待され、総会議長のマリア・フェルナンド・エスピノサ氏と面談した。グレタさんは9月23日に開く国連気候サミットで、特別スピーチを予定しており、「下見」をした形になった。
エスピノサ議長と3人は、温暖化対策、ブラジル・アマゾンなどグローバルに広がる森林火災問題、使い捨てプラスチック問題等、幅広いテーマで話合ったという。
アレキサンドリアさんは、「グレタさんを迎えて、新しい何かが始まった。気候サミットを迎えてすべての若者が団結し、世界にメッセージを送ることができる。グレタさんの大西洋航海は終わったが、地球のために我々がとるべき気候行動は、まさに今、始まった」
米国各地の中学、高校、大学等では、子どもたちが大人社会が作り出す矛盾に対して、一人でも声をあげる「グレタ効果」が広がり始めているという。気候変動だけでなく、野放しの銃規制、根深い人種差別、コミュニティの空洞化、自由への抑圧、個人の疎外等。
問題解決を先送りし、既得権を最優先、将来の変化を抑え込む大人社会の現状最優先の構造は、洋の東西を問わず硬直化している。そうした構造の影響の前に今、立ち、将来、さらにより深く確実に受ける立場の子ども・若者たち。彼らは今、自分で声をあげ、自分で行動する動きを始めている。
こうした「グレタ効果」は、若者たちが、不満の声をバラバラにあげるこれまでの段階から、一つの「世代運動」として世界全体を包み始めた、との見方もできる。