ロンドンでの「Extenction Rebellion(絶滅への反逆)」運動。座り込み抗議行動者を大量に逮捕してみたら、「ベルギーの王女」も含まれていた(RIEF)
2019-10-16 16:19:43
捕らえてみれば王女だったーー。迅速な気候変動対策を求めてロンドンやニューヨーク等の大都市で抗議行動を展開しているExtenction Rebellion(XR)の活動に参加していたベルギー王室の王女、マリー=エスメラルダさんが、ロンドンのトラファルガー広場で座り込みをして逮捕された。
XRは、温暖化の加速に抗議し、政府に迅速な対策の実行を求めて、欧米主要都市で座り込み等を展開している。スウェーデンのグレタ・ツゥーンベリさんが「温暖化のための登校拒否(School Strike)」を呼びかけているのは、子どもや若者たち。
一方、XRは老若男女を問わず、だれでも参加できるため、80歳や90歳の高齢者たちも、「孫やひ孫」の将来のために抗議行動に参加するケースが増えている。そうした行動の輪の中にエスメラルダ王女もいた。http://rief-jp.org/ct12/94760?ctid=70
逮捕されたのは10月10日。ロンドンの中心部のトラファルガー広場に座り込みを続けていた1300人もの抗議参加者を、警察が次々と引き抜いて、「ブタ箱(留置場)」に放り込んだ。王女もブタ箱に・・・。
王女は第二次大戦前から1951年までベルギー国王だった故レオポールド3世の末娘で、現在のフィリップ国王の叔母に当たる。63歳で、職業はジャーナリスト、作家、環境活動家としても知られる。wikiでは住所はブリュッセルとなっている。英国籍の薬学教授と結婚、2人の子どもを持つママでもある。
王女はいったん留置場に入れられたが、取調べを受けた後、5時間後に、釈放された。取り調べた警官は、「王女」を捕らえて、どう反応したのだろうか。釈放の際、場合によっては再度召還される可能性もあるとの警告書を渡されたという。
王女は釈放後、ベルギーの新聞「L’Echo」のインタビューに答えて、「社会のあらゆる分野の人々からの抗議の声が高まれば高まるほど、大きなインパクトを起こすことが出来る」と語り、抗議行動の意義を強調したという。彼女にとって、温暖化対策を阻止するには、王室も抗議行動の一員に加わるべきということのようだ。
ツィッターでも「今日、多くの抗議参加者とともに、逮捕されて警察の留置場に入れられました。気候危機の現状を踏まえると、われわれすべての人々は、政府に緊急行動をとるよう求めざるを得ない」とつぶやいた。
ベルギーの王室は、欧州の王室の中でも「開かれた王室」として知られる。現在のフィリップ国王の子どものエマニュエル王子は、発達障害があり、他の学習障害児の子どもと一緒の療育学校に登校している。あるいは、先王のアルベール2世は、不倫と隠し子が話題となってきた等。
英国には、エリザベス女王を筆頭にした英王室がいる。中でもチャールズ皇太子は、環境問題に造詣が深く、温暖化問題でも一家言を持っているとされる。捕らえてみれば、チャールズだった、となると、英王室の評価は高まるかもしれない。