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英政府、電気自動車等のCO2ゼロ排出車用の「グリーンナンバープレート」を検討。対象車は駐車規制優遇や、バスレーン走行可等の「特権」も。グリーン車の「見える化」で切り替え促進(RIEF)

2019-10-23 14:31:07

greencarplate1キャプチャ

 

 英政府は、電気自動車(EV)等のCO2ゼロ排出車を普及させるため、グリーンのナンバープレートを導入する検討に入った。グリーンナンバー車は、駐車違反の規制の厳しい英国内でも自由に駐車できるほか、バス優先レーン等の走行も認める方向。「グリーン車」が一目瞭然となることで、自動車の排ガス規制政策を促進する考え。

 

 英政府は同案について、関係業界や自治体、消費者等とのコンサルテーションを開始した。グリーンナンバープレートは、カナダのオンタリオ州で導入されている。オンタリオの場合、対象グリーン車はハイブリッド車も含まれる。今回の英国の場合、ゼロエミッション車に限定するか、プラグインハイブリッド(PHV)なども含めるかも、コンサルの中で検討する方針。

 

 グリーンナンバープレート導入案の背景には、ドライバーがEVなどに切り替えても、走行中は他のガソリン車等とあまり区別されず、環境に配慮していることへのアピール効果が得られないとの不満等があることも踏まえた。またグリーン車に、「駐車特権」等の優遇措置を与え、それを可視化することで、消費者のゼロ排出車への切り替えを促しやすくなる。

 

 greenplateキャプチャ

 

 Grant Shapps運輸相は「グリーンナンバープレートは、EVをだれもが認識できる魅力的な方法で、極めてポジティブだ。グリーン車を『見える化』することで、それらの車の運転手にも、われわれの環境にも、利益がもたらされる。CO2ゼロ排出車革命を加速できるだろう」と強調している。

 

 グリーンナンバープレートのデザインや優遇策等はこれからの検討事項になる。デザインはプレート全体をグリーンとするか、あるいはグリーンのストライプを入れるかなどの案がある。また優遇措置には、「駐車特権」のほか、バス優遇レーンやクリーンゾーン地域への乗り入れ許可等が考えられる。またグリーンプレートの対象をEVや燃料電池車(FV)に絞るか、PHVなどにも広げるかも今後の論点だ。

 

カナダ・オンタリオ州で導入されているグリーンナンバープレート
カナダ・オンタリオ州で導入されているグリーンナンバープレート

 

 英政府は現在、2040年以降はガソリン車やディーゼル車の新規販売を禁止する方針を立てている。この規制にはハイブリッド車は含まれない。Shapps運輸相は2040年規制を早めて2035年に前倒しする考えを示している。

 

 またEV等の普及のため、すべての新築住宅については、EV用の充電器の設置を義務化する案も検討しているという。

https://www.theguardian.com/environment/2019/oct/22/electric-cars-to-get-green-number-plates-in-new-government-plan

http://www.mto.gov.on.ca/english/vehicles/electric/green-licence-plate.shtml