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世界気象機関(WMO)、2018年のグローバルなCO2平均濃度は過去最高の407.8ppmと指摘。4年連続400ppm台。低下の兆候全くなし。メタンもN2Oも過去最高。温暖化加速さらに(RIEF)

2019-11-25 23:20:33

WMO22キャプチャ

 

 世界気象機関(WMO:ジュネーブ)は2018年のグローバルなCO2平均濃度が407.8ppmと前年より2.3ppm増加、過去最高レベルに達したと発表した。伸び率は2017年とほぼ同じで、15年に400ppm台に乗せて以来、4年連続。CO2より温暖化効果の高いメタンと一酸化二窒素(N2O)もそれぞれ過去最高レベルに達した。温暖化は着実に進行している。

 

 WMOの事務局長、Petteri Taalas氏は「CO2濃度の増加率が低下する兆候は全くない。すべての国がパリ協定に貢献しているにもかかわらずだ。われわれは『貢献』の言葉を、『行動』に移し、人類の未来の福利を高める野心的な決断を増やす必要がある」と指摘している。

 

 さらにTaalas氏は「地球が同じ規模のCO2濃度を記録したのは300万~500万年前。当時は気温は今より2~3℃温かく、海面は10~20m高かった」と指摘。このままの温室効果ガス濃度が続くと、同様の気象条件に変貌する危機水域に入っていることを警告した。

 

各温室効果ガスの放射強制力の推移
各温室効果ガスの放射強制力の推移

 

 407.8ppmのCO2濃度は、産業革命前のレベルに比べると147%増加だ。1985年から2015年にかけての温室効果ガスの10年単位の平均排出量をみると、10年ごとに、スパイラル的に前の10年よりも排出量が増える格好で排出量の加速が進んでいることがわかる。

 

 1985~95年(年1.42ppm)、1995~2005年(同1.82ppm)、2005~2015年(同2.06ppm)などだ。 各期間での最高の伸び率はいずれの10年も、エルニーニョの発生期に生じている。

 

 1990年以来、CO2などが温室効果を引き起こす放射強制力は43%増加している。このうち80%はCO2の増加によってもたらされたという。

 

CO2排出量の推移
グローバルなCO2排出量の推移

 

 温暖化係数がCO2の25倍あるメタンは2018年が1869ppm、同係数が298倍の一酸化二窒素は331.1ppmといずれも過去最高レベルに達した。メタンの水準は産業革命前より259%上回っている。その排出源の60%は人間活動による。

 

 N2Oは温暖化効果が高いことに加えて、オゾン層の破壊効果を持つ。すでに産業革命前より123%高い水準になっている。排出源の40%が人間活動で、残りは自然界からとされる。

 

 パリ協定では世界の気温上昇を2℃より十分に低く、1.5℃に抑制する努力をすることをうたっている。だが、現在各国が公約している国別温暖化公約(NDCs)による対策を維持したとしても、グローバルな排出量は2030年でもピークアウトしないと予測されている。

 

 「気温2~3℃上昇、海面は10~20m上昇」の世界へ、着実に向かっているようだ。

 

https://public.wmo.int/en/media/press-release/greenhouse-gas-concentrations-atmosphere-reach-yet-another-high