HOME8.温暖化・気候変動 |グレタさん、COP25で穏やかなスピーチ。「希望の兆候はまだ見出せない。しかし、私には希望が見える。人々は気付き始めている。希望は政府や企業からではなく、人々の気付きから出てくる」(RIEF) |

グレタさん、COP25で穏やかなスピーチ。「希望の兆候はまだ見出せない。しかし、私には希望が見える。人々は気付き始めている。希望は政府や企業からではなく、人々の気付きから出てくる」(RIEF)

2019-12-12 17:37:10

greta1001キャプチャ

 

 マドリードでの国連気候変動枠組み条約第5回締約国会議(COP25)に出席したスウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは、公式イベントに出席した。いくつかの課題を指摘したうえで、「(それでも)私たちは変わることができる」と強調した。

 


 グレタさんは、開催国スペインの閣僚などとともに公式イベントで、演題に立った。冒頭、「これまで私は感情的なスピーチをして人々の注目を集めてきたが、今日はしない。人々はフレーズには目を向けるが、事実を覚えていない」と述べた。



 そのうえで「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるためには、世界で排出できる温室効果ガスの量はあと420G㌧以下しかない。このまま大量の排出が続けば、『実質ゼロ』を長期的に目指しても気温の上昇は避けられない。包括的な解決策を見つけてほしい」と、訴えた。

 

 Greta1003キャプチャ

 

 2050年ネットゼロを宣言する国々が増えている最近の動きに言及、「一見、魅力的にみえる。だが、こうした動きはミスリーディングだ」と断じた。その理由として「(彼らの目標には)航空機、海運、さらに海外で製造され、輸入された製品等による排出量が含まれていない」と指摘した。

 

 グレタさんは、こうした政策的な“誤魔化し”も見逃さない。彼女にすれば、こうした行為は真の危機感に基づかず、真の解決につながらないことが明白ということだろう。グレタさんはさらに、以下のように語りかけた。

 

 「われわれのリーダーたちは、われわれが危機の真っ只中にいるのに、救おうとしていない。もし子どもが道路の真ん中に立ち尽くし、自動車が猛スピードで迫ってきたとしたら、あなたは見過ごさないでしょう。直ちに駆け寄って、子どもを救うでしょう。(リーダーたちに)そうした危機感がないとしたら、われわれはどうしたらいいのか」

 

 「人々からのプレッシャーがない限り、われわれのリーダーたちは、基本的には何もしないで逃げようとする。あと3週間ほどで、われわれは新たな10年(2020年代)を迎えようとしている。われわれの未来を決定づける10年だ。しかし、現時点では、われわれは何の希望の兆候も見出せず、絶望している」

 

 「ただ、希望はある。私はそれを見ている。その希望は政府や企業から出てくるのではなく、人々から出てこようとしている。今まで気付かなかった人々が、立ち上がるために動き出している。われわれはいったん気付けば、変わることが出来る。変わることが出来るし、人々は変わる準備ができている。それが希望。なぜならわれわれは民主主義を持っているのだから」

 

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 米誌「Times」は「Person of the Year for 2019(2019年を代表する人)」に、グレタ・トゥーンベリさんを選んだ。

 

 グレタさんは自らのツィッターで「ウワォ!信じられない。『FridaysFOrFutre(未来のための金曜日)』運動のみんなや、各地の気候問題活動家たちと、この栄誉を共有したい」とコメントした。https://twitter.com/GretaThunberg

 

https://www.bbc.co.uk/newsround/50743328

https://www.cnbc.com/2019/12/11/greta-thunberg-is-times-2019-person-of-the-year.html