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今年は、過去120年を通じ、年間でもっとも暑い年だった。温暖化の影響とエルニーニョなどの自然変動の両方が影響。気象庁が今年1年の振り返り(RIEF)

2019-12-23 22:22:41

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 気象庁は23日、今年の年平均気温が1898年の統計開始以降で、最も高くなる見込み、と発表した。年平均気温偏差(1981~2010 年の 30 年平均値からの偏差)が+0.92℃で、統計を開始した1898年以降で最も高い値になるという。従来の最高値は2016 年(+0.88℃)。同庁は、高温の要因として、CO2などの温室効果ガス排出量の増加に伴う温暖化の影響と、自然変動の両方の影響を指摘している。

 

 日本の年平均気温は、長期的には100年単位で 1.24℃の割合で上昇しているという。特に1990年代以降、高温の年が多くなっている。温暖化の影響に加えて自然変動でも、エルニーニョ現象やラニーニャ現象などの影響が、数年程度から数十年程度の時間規模で気温上昇を加速している。

 

 地域的にみると、秋田、御前崎(静岡県)、岐阜等の8地点で、年平均気温の平年差が最高値を上回った。また、三島(静岡県)、名古屋、奈良等の10地点で最高値と同じ値を記録した。

 

 年間を通してみると、冬(2018年12月~2019年2月)は、東日本以西では暖冬で、西日本の日本海側では記録的な少雪だった。夏は、気温の低い時期もあったが、西日本を除き全般的に平均気温は高かった。 春と秋も、暖かい空気に覆われ、全国的に気温が高かった。

 

 季節平均気温は、冬の沖縄・奄美 (平年差:+1.8℃)、秋の東日本(平年差:+1.6℃)と西日本(平年差:+1.4℃)で、1946 年の統計開始以来最も高かった。年を通して気温の高い状態が続いたため、年平均気温(2019 年1月~12月)は全国的にかなり高かった。

 

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 世界の平均気温(陸域の地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1981〜2010年の30年平均値)からの偏差は+0.42℃(速報値)で、1891年の統計開始以降、2016年(+0.45℃)に次いで、2番目に高い値になるという。

 

 世界の年平均気温も、多様な変動を繰り返しながら上昇している。長期的には100年単位で0.74℃の割合で上昇している。特に1990年代半ば以降、高温の年が多くなっている。

 

 また、台風15号、19号の接近・通過に伴い、 北・東日本で記録的な暴風、大雨となった。9月上旬に関東地方に上陸した台風15号は、千葉県で57.5m/sの最大瞬間風速を観測する記録的な暴風だった。

 

 10月中旬に関東地方から東北地方を北上した台風19号も、箱根(神 奈川県)で日降水量が歴代の全国1位を記録するなど、 東日本から東北地方にかけての広い範囲で記録的な大雨をもたらし、各地で河川の氾濫が相次ぐなど大きな被害が発生した。

 

http://www.jma.go.jp/jma/press/1912/23a/press_2019matome.html

http://www.jma.go.jp/jma/press/1912/23a/2019matome_besshi1-2.pdf