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千葉市、昨年の台風被害を受け、「災害に強いモデル都市」づくり公表。市内のすべての市立学校・公民館に太陽光発電・蓄電設備、災害時のEVによる電気配送のマッチングネットワーク(RIEF)

2020-01-24 00:48:49

Chiba3キャプチャ

 

 昨年の台風15号、同19号等で大きな被害を受けた千葉市は23日、災害に強いまちづくりを目指すため、市内のすべての市立学校・公民館等200カ所に太陽光発電・蓄電設備を整備するなどの「総合的な政策パッケージ」を公表した。停電時に電気自動車(EV)で病院や避難所等に、電気を届けるマッチングネットワークの構築も進める。災害に強いモデル都市を目指すとしている。

 

 (写真は、連続した台風襲来で倒壊した電信柱)

 

 「災害に強いモデル都市」を実現するために、5つの政策の柱を据えた。①電力の強靭化②通信の強靭化③土砂災害・冠水等対策の強化④災害時の安全・安心の確保⑤民間企業等との連携拡大、だ。

 

Chiba1キャプチャ

 

 ①は台風被害で長期化した停電対策で、学校等への太陽光発電設備等の導入が目玉。2022年度までに整備する。また停電時に、企業や家庭のEV等を活用して、病院や福祉施設、避難所等に電気を届けるマッチングネットワークを政令市で初めて構築する。市内2カ所の清掃工場にEV用の急速充電器を設置し、災害時のEV活用を支援する。

 

 また、地域ごとに自立的に電気を「作る」「ためる」「使える」環境づくりを促進するため 、家庭の太陽光発電・蓄電設備や、EV等の電気を家庭で使うために必要な V2H(Vehicle to Home)機器の購入等に、市が助成する制度を充実させる。

 

 ②の通信の強靭化では、停電が⾧期化しても、携帯電話や スマートフォンがつながるよう、携帯電話基地局の電力維持などを通信事業者と連携して構築する。地域防災無線(携帯無線)の強化等も盛り込む。

 

EVを活用したマッチングサービス
EVを活用した電気配送のマッチングサービス

 

 ④の災害時の安心・安全の確保では、SNSの投稿情報から災害情報を抽出するシステムを整備するほか、外国人向け情報発信について、防災メールを最大8カ国語で、防災ガイドブックは7カ国語で準備するなどの措置を盛り込んでいる。予算額は全体で数十億円規模の見込み。

 

 千葉市は昨年秋の台風15号、同19号、さらに10月25日にも大雨に見舞われた。最大瞬間風速57.5m/s(観測史上1位)を記録したほか、3時間で1カ月分の降雨、強風・倒木による大規模⾧期停電で最大9万4600軒が被害を受けた。被害期間は最⾧20日間に及んだ。停電による断水 ・大雨によるガケ崩れ98カ所、死者3人、道路冠水298か所、住家等浸水115軒。

http://www.city.chiba.jp/somu/kikikanri/20200120seisakup.html

http://www.city.chiba.jp/somu/kikikanri/documents/saigainitsuyoi_machidukuri-p.pdf