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中国の大気汚染を憂う億万長者が 「新鮮な空気の缶詰」発売 (各紙) 中国人のジョーク?!

2013-02-10 22:11:04

China無題
Chinaair大気汚染が深刻な社会問題となっている中国で、著名な実業家で慈善活動家でもある陳光標氏(44)が、新鮮な大気がパックされた「空気の缶詰」を売り出して、話題となっている。新疆ウイグル自治区やチベットで封入したとされる空気を詰めたもので、1缶5元(約74円)。先月末の10日間で、実に800万個を売り上げたという。今の中国では、無害な空気が一番、求められている!?

実際に“品質”の確認が困難な空気の缶詰が売れてしまうこと自体、今の中国の抱える大気汚染問題の深刻さを物語っているのか。China無題

空気の缶詰を売り出した陳氏は、リサイクル事業で財を成した実業家。所有資産は7億4000万ドル(約685億円)といわれている。空気の缶詰は、ジュースの330ミリリットル缶ほどの大きさで、新疆ウイグル自治区、チベットのほか、雲南省や、台湾の未工業化地方の空気が圧縮されて充てんされているとの触れ込みだ。

陳氏の顔写真とともに「新鮮空気」と大きく書かれた商品は1缶5元。缶ジュースが3元(約45円)程度で買える中国では、高めの値段設定ともいえるが、これが売れている。昨年9月に発売。発売初日には北京で1000缶が売れたという。大気汚染がクローズアップされる最近は、さらに注目を集めるようになった。1月末に陳氏が北京で、23万個を無料配布するPRパフォーマンスを行ったこともあり、話題沸騰。10日間で、実に800万個が売れたという。

中国の大気汚染は深刻。同国環境保護省は4日、有害物質を含んだ濃霧について、1月24日以前の段階で全土の4分の1が包まれ、6億人が影響を受けたと発表した。自動車、工場などが排出源で、肺がんを増加させると指摘される直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子物質「PM2・5」は、大気1立方メートル当たり35マイクログラムが日本の基準値だが、北京では、1月12日にその約26倍の同900マイクログラムを記録。世界保健機関(WHO)が定める大気汚染指数では、300以上が外出中止すべき危険レベルだが、北京は頻繁に指数500以上を示し、問題の12日は何と指数755だった。

中国に近い福岡県は4日、PM2・5の観測を県内10か所で始め、数値を公表すると発表した。福岡市では、1月に日本の基準値を上回ったことが数日あったという。まだまだ「空気はタダ」が常識の日本への影響も懸念されている。

そんな中での空気缶詰大ヒット。陳氏によると、口と鼻の近くに缶を固定し、プルタブを引いて中の空気を吸うのが正しいスタイルだという。缶詰の収益は慈善事業に寄付するとしている陳氏は「環境保護の重要性を伝えるのが缶詰発売の目的。(企業などは)子どもや環境を犠牲にして利益だけを追求するな」と訴えている。

 

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130204-OHT1T00207.htm