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台湾、第4原発の建設凍結 劣化防止措置が完了。廃炉の可能性濃厚に(各紙)

2015-07-01 22:19:11

taiwannuke1024px-台湾第四原子力発電所

 各紙の報道によると、台湾公営の台湾電力は台北郊外で計画していた第4原発の建設が1日、正式に凍結された。完成間近だったが、反原発世論の高まりを受けて昨年4月に政府が建設凍結を決め、各機器に劣化防止措置を施す作業を続けていた。

 台湾では、来年1月の総統選で政権交代の可能性が出ている。野党、民主進歩党の蔡英文主席は同原発の建設中止を求めており、政権を握ると、公約どおり、建設中止に踏み切るとの見方が強い。このため、今回の台湾電力の措置後も、運転に向けた作業が再開するメドは立っていない。

 

 台湾電力は凍結期間を3年と見積り、計34億台湾元(約135億円)をかけて機器を維持する予定という。しかし、建設中止を求める市民団体は「無駄遣い」だと批判している。

 

 第4原発は原子炉など主要部分を日本メーカーが輸出したことから「日の丸原発」と呼ばれる。1号機は日立製作所、2号機が東芝、そして各発電機は三菱重工によって建設が進められてきた。いずれもBWR型。しかし、1998年に着工後、工事トラブルが相次ぎ、建設は2000年に一時中断、いまだに完了していない。

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 台湾は日本と同様に地震が多発するほか、国土が狭いことから、原発のすぐ近くに民家や町があること、また建設中に何度も中断しており、その結果、使用された部品の腐食などが見られるなど、安全性を危惧する声が強い。