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中国の統合原発企業「国家電力投資集団(SPI)」正式発足。内外市場で原発建設を推進(FGW)

2015-07-18 22:00:17

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中国の巨大原子力企業が誕生した。電力大手、中国電力投資集団(中電投)と、国家核電技術(国家核電)が合併して「国家電力投資集団(国電投:SPI)」になるもので、国家資産監督管理委員会(SASAC)の認可を正式に得た。

 

 発足したSPIの資本は 450億人民元(70億㌦)、総資産は7223億人民元(1163億㌦)、従業員総数は1400万人。発電事業は原発のほか、水力、再生可能エネルギー発電も手掛ける。総発電量は98GW。また発電事業以外に、石炭、アルミニウムの生産、ロジスティック、金融、などの他事業も含め、総売り上げは年 2000億人民元(320億㌦)。

 

 中国の原発企業はすでに中国核工業集団公司(中核)と中国広核集団(中広核)があるが、SPIの誕生によって、原発3メガ体制となる。いずれも、国内の原発建設と海外への輸出促進にドライブがかかる。

 

 SPI の会長には中電投の Wang Binghua氏が就任した。同氏は、「中国の電力はほぼ70%が石炭などの化石燃料による火力発電に依存している。これらの多くを原発に移行させていく」と語った。また 中国核工業集団公司(中核)と中国広核集団(中広核)との関係については「二社とは戦略的な連携と健康な競争を推進していく」と述べた。

 

 SPIを形成した二社のうち中電投は、中国の5大電力会社の1社だが、相対的に他社に比べ規模が小さく、原発市場でのシェアは10分の1にとどまっていた。一方の国家核電は米国ウェスティングハウス・エレクトリックから導入した原発技術などを有し、先端の研究開発、工事管理、運行サービス体制を備え、多様な子会社を率いる総合原発技術グループとして知られている。

 

 今回の統合SPIのトップに国家核電のBinghua氏が就いたことで象徴されるように、今後のSPIの戦略の軸は、内外市場で原発を推進することに力が置かれる見通しだ。

 

中国で現在稼働中の原発は23基、発電容量は2138万kW。建設中の原発は倍以上の26基、2850万kWに上っており、建設中の原発数は世界で最も多い。このうち、2015年には8基の稼働が予定され、さらに6~8基の追加建設が見込まれている。すでに、方家山原発2号機が2月に稼働開始し、陽江原発2号機、寧徳原発3号機、紅沿河原発3号機も発電・送電を開始した。

 

参考: http://www.world-nuclear-news.org/C-Chinese-nuclear-giant-officially-launched-1607155.html