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JCOM、電力小売り進出 東電の1割安 (各紙) 価格競争の導入で電力市場を活性化!

2012-11-06 12:06:50

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CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)は電力小売りに参入する。新電力(特定規模電気事業者)と組み、年内にマンション向けに販売を始める。放送、通信とセットで提供し、電気料金を電力会社より最大1割安くする。受信契約などで家庭と接点を持つ同社の参入で、消費者が容易に電力の購入先を選べるようになり、電力小売り分野の競争が加速する可能性がある。

電力小売りは契約電力50キロワット以上のビル、工場などが対象で、新電力は各家庭に電力を直接供給できない。JCOMはマンション向けに新電力からまとまった量の電力を安く仕入れ、各戸に小分けすることで柔軟な料金設定を可能にする。


 電気料金を巡っては燃料費の増大で東京電力が9月に家庭向け料金を引き上げた。関西電力や九州電力なども値上げ方針を表明しており、割安な電気を求める消費者の声が高まっている。




 JCOMは各戸の電気料金を東電より7%程度低く抑える。放送・通信サービスとセットで契約すればさらに引き下げ、10%程度安くする。電力を含むこれらの家庭の基盤サービスを一括提供するのは同社が初めて。




 同社のCATVに加入するマンション単位で電力供給契約を結ぶ。住友商事の新電力子会社、サミットエナジー(東京・中央)からまとめて電力を購入したうえで戸別に配電する。配電に必要な電気設備の設置や保守はJCOMが担う。




 年内に東京都杉並区のマンションでサービスを始める。来年以降、北海道や九州などに広げ、1年以内に1万世帯への売電を狙う。マンションの管理組合などに電力大手からの乗り換えを促す。




 サミットエナジーは火力など自前電源を持ち、自家発電設備を持つ企業などからも安く電力を調達している。JCOMは電力を安定的に確保できると判断した。




 同社は有料多チャンネル放送やインターネット接続、固定電話などのサービスを提供し、約370万世帯が加入している。今回の電力小売りの対象になる50戸規模以上のマンションは約2万7000棟(約314万世帯)。来秋にはCATV2位のジャパンケーブルネット(JCN、同・中央)と統合し、新会社の加入数は500万世帯近くに拡大する。




 放送・通信分野ではNTTグループが光回線を使った動画配信、インターネットサービスなどで攻勢をかけている。JCOMは電力もセットにし、顧客獲得競争で優位に立つ。NTTファシリティーズも新電力と組んでマンション向けの電力供給を手がけているが、放送・通信サービスと一体提供はしていない。