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柏崎刈羽原発、本格審査入りへ 原子力規制委「福島第1優先」(各紙) 小泉発言による脱原発ムードの高まりをけん制へ

2013-11-13 15:03:14

kiseiilogo
kiseiilogo原子力規制委員会は13日、東京電力が再稼働を申請している新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機の本格的な審査に入ることを決めた。規制委は福島第1原発の汚染水問題で本格審査入りを凍結していたが、東電がまとめた作業改善策を評価する形で、凍結を解除する。規制委は、これまで再稼働よりも福島原発の収束を最優先するとしてきたが、小泉元首相のゼロ原発宣言などに対抗する形で、再稼働推進路線に切り替える。

 規制委は、近く東電から申請内容の説明を受けて問題点の有無を確認する会合を開く。

東電は8日、作業員約1200人が収容可能な大型の休憩施設の建設計画などを盛り込んだ緊急対策を発表した。規制委はこの日の定例会で、「東電の計画は評価できる」(島崎邦彦委員長代理)との判断を下し、実際に計画が実行されるかどうかを監視することにした。

 さらに、柏崎刈羽の安全審査については、田中俊一委員長が「問題点の指摘までを範囲として進めたらどうか」と提案。他原発と同様、公開の審査会合を開いて論点を整理した上で審査の進め方を改めて判断することにした。

 ただ、柏崎刈羽は「沸騰水型(BWR)」原子炉で、審査中の他の6原発とタイプが異なる。事故時に排出する放射性物質を減らす「フィルター付きベント装置」が必須条件となるほか、敷地内の活断層問題もあり、田中委員長は「そう簡単にすいすい進むとは考えられない」と述べた。

田中俊一委員長は同日の定例会合で「最優先は福島第1原発。(東電が)対策をどう進めるか、厳しく監視していく」と強調したものの、福島第一原発の収束見通しは全くついていない。また原発による発電がなくても、電力需給の逼迫はみられていない。

また、一時は鎮静化していたゼロ原発の動きも、小泉発言によって急速に盛り上がっている。このため、このままでは申請中の各原発の再稼働が再び見送られる可能性も出ている。こうした原発情勢の微妙な変化を察知してか、規制委は再稼働承認路線を優先することで、ゼロ原発の政治的主張と一線を画し、実績づくりにまい進しようという判断のようにもみられる。

 

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