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環境省、インドネシアのJCM事業4件で、合計705㌧のクレジット発行。半分が日本政府分。だが国の取得目標には遠く及ばず(RIEF)

2018-07-13 20:52:40

JCM2キャプチャ

 

  環境省は12日、日本の技術を利用して途上国でのCO2排出削減事業を展開することで、カーボンクレジットを取得する二国間クレジット制度(JCM)で、新たにインドネシアでの4件の事業で合計705㌧のクレジットを発行した、と発表した。うち日本政府が353㌧を取得した。これでJCMクレジットは17件、合計1万1786㌧となった。

 

 (写真は、インドネシアの繊維工場の空調の改善事業によるJCMクレジット創出事業)

 

 JCMは、日本政府が独自に実施している途上国での温室効果ガス削減への貢献策。同時に、CO2削減効果のクレジットを日本の削減目標に反映させるために、クレジットの半分を日本政府が取得する仕組み。対象事業は、途上国でのCO2削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及事業や対策など多様に設定されている。

 

 今回の案件は2つのタイプ。一つは、インドネシアの繊維工場で、製 品の品質確保のために使用されている工場内空調を、新型の省エネ冷媒機に切り替え、エネルギー効率を高める投資で、CO2を削減する事業が3件。 日本側の企業はいずれも荏原冷熱システムと日本工営。3件合計で年間510㌧の削減が見込める。

 

ジャカルタのローソン
  ジャカルタのローソン

 

 もう1つのタイプは、ジャカルタなどのコンビニエンスストアに、 高効率のインバータエアコン、自然冷媒利用の高効率冷蔵・冷凍ショーケースやLED照明を導入する事業。消費電 力量及びCO2排出量を削減する。日本側はローソン。年間195㌧。

 

 現在、日本政府とJCMのパートナー契約を結んでいる国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ、フィリピンの17カ国。

 

 これまでのJCMクレジットの発行量は、13件、1万1081㌧で、今回の4件分を含めて、1万1786㌧となった。このうち、日本政府の取得分は合計8982㌧となった。日本政府はJCMクレジットを、2030年度までの累積で5000万~1億㌧を取得する計画を立てているが、今回の4件を含めても、取得クレジットの実績量は0.018%でしかなく、このままでは目標達成はほぼ不可能な状況にある。

 

http://www.env.go.jp/press/105715.html