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資料:「レポート2030:グリーン・リカバリーと2050年カーボン・ニュートラルを実現する2030年までのロードマップ」(未来のためのエネルギー転換グループ)

2021-02-25 23:58:27

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 エネル ギー・温暖化問題を専門とする研究者で構成する「未来のためのエネルギー転換グループ」は、 『レポート2030:グリーン・リカバリーと2050年カーボン・ニュ ートラルを実現する2030年までのロードマップ』を公表した。

 

 菅首相が2020年10月に「2050年カーボン・ニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)」を表明し、「地球温暖化対策推進法(温対法)の改正案」を公表している。だが、現行の政府案はまだ実現していない技術への研究開発投資計画が中心で、将来へと不確実性を残してお り、足元のコロナ不況への対策としても不十分、と指摘。

 

 一方で、バイデン米政権の「グリーン・ニューディール政策」、「欧州グ リーンディール」「韓国版グリーン・ニューディール」など世界 の経済対策はグリーンが主流になりつつあるとして、コロナ不況への対抗策として、「日本版グリーン・リカバリー」を提言するとしている。

 

 提言の主な内容としては、エネルギー消費全体では、最終エネルギー消費は省エネ等により、2030年に40%減(2010年比)、2050年に62%減(2010年比)(2013年比では、それぞれ38%減と60%減)とする。 化石燃料と原子力については、2030年に化石燃料(一次エネルギー)は約60%減(2010 年比)、原子力はゼロとする。2050年には化石燃料もゼロとする(一次エネルギーは再エネ100%;従来技術で約80%、新技術で約20%)

 

 電力は 2030 年時点で、省エネで電力消費量30%減(2010年比;石炭火力ゼロ、原発ゼロ、再エネ電力割合44%; 2013年比28%減)とする。2050 年には、省エネで電力消費量約40%減(2010年比;再エネ電力割合100%;2013年比38%減。 ただし、蓄電ロスなどのため発電量は現状以上が必要)等としている。

 

 これらの目標に向けて政策を展開した場合、投資額は2030年までに累積約202兆円(民間約151兆円、公的資金約51兆円)、 2050 年までに累積約340兆円とし、それらによる経済効果としては2030 年までにGDPが累積230兆円(政府予測 GDP に対する増加額)、雇用創出数は2030年までに約2544万人年(年間約 254 万人の雇用が 10 年間維持)等としている。

 

 同グループは、明日香壽川(東北大学教授)、甲斐沼美紀子(地球環境戦略研究機関研究顧問)、 佐藤一光(岩手大学准教授)、槌屋治紀(システム技術研究所所長)、西岡秀三(地球環境戦略研究機関参 与)、朴勝俊(関西学院大学教授)、松原弘直(環境エネルギー政策研究所理事)で構成する。

https://green-recovery-japan.org/