滋賀銀行。滋賀県と連携し、カーボンニュートラルに加え、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーの3要素をKPIとする新たなESGファイナンスローンを「三方よし」で開発(RIEF)
2026-05-11 21:37:17
滋賀銀行は滋賀県と連携して、カーボンニュートラルのほか、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーのサステナブルファイナンスの3要素をKPI(重要業績評価指標)として組み合わせたESGファイナンス「しがトライ・リンク・ローン」の取り扱いを開始したと発表した。脱炭素だけでなく、自然資本、循環経済の評価も取り入れたサステナブルローンの提供は、国内では初めてとしている。融資対象は滋賀県内に事業所を設ける企業とし、融資を受けたい企業は、同県の認証を得る必要がある。同行では「滋賀県、滋賀銀、事業者の3者が連携して、地域社会と環境、事業者の『三方よし』の実現を目指す」としている。
同行は県の認証を受けた対象企業に提供するローンには優遇金利を提供する。金利の水準は3つの達成目標の達成状況に応じて変動する。最大の条件としては、「関西の水がめ」である琵琶湖の自然環境保全を主導する滋賀県が設定する「しが生物多様性取組認証制度」の認証を取得することが求められる。県は企業が設定する3KPIの達成目標が低過ぎないかどうか等の妥当性をみるほか、融資の実行後も年1回、企業から報告を受けて取り組みの結果とプロセスを評価する仕組みとする。
同ローンのファイナンスフレームワークについては、ESG金融のベストプラクティスおよびマーケットスタンダードを踏まえ、持続可能な社会の実現に資する内容であることについて、格付投資情報センター(R&I)から第三者評価「ESG金融評価“Sustainable SEEDS”」を取得している。
同行は近江商人の精神である「『三方よし』で地域を幸せにする」とのパーパス(存在意義)のもと、「地域を幸せにする好循環」のエンジンとして、第8次中期経営計画に取り組んでいる。本件は、基本戦略のうち「インパクトデザイン」に基づく取り組み、としている。同行では「これからも、ESG金融を通じて顧客・地域の成長をデザインし、サステナブルな社会の実現に向けたインパクトの創出に貢献していく」としている。
持続可能な経営を進める企業を後押しするグリーンローン等の融資制度は全国的に導入が進んではいる。しかし、その多くが、数値で評価しやすい脱炭素(カーボンニュートラル)の取り組みを指標とするケースが中心で、利用できる企業は限られていた。一方で滋賀県が抱える環境課題は多様だ。琵琶湖などの自然環境を守るには、ブラックバスなど外来種の駆除や、食品ロスの削減、衣服のリユースといった環境+社会的活動が重要になってくる。
滋賀銀は、こうした課題解決に向けて、伝統ある近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神を継承した行是「自分にきびしく 人には親切 社会につくす」を活動の原点に据えている。この精神を踏まえて、地域社会や企業、コミュニティ等のステークホルダーとの「共存共栄」を実現することを掲げており、今回設けた「しが トライ・リンク・ローン」では、地域が抱える脱炭素、サーキュラーエコノミー(循環型経済)や生物多様性を取り戻すネイチャーポジティブ(自然再興)等の三指標を組み込んだ。
滋賀県の人口は140万人だが、琵琶湖の水は滋賀、京都、大阪、兵庫の計約1450万人の暮らしを支えている。琵琶湖を軸とした「トライ・リンク」の取り組みを進めることで、地域銀行としての業務範囲についても、滋賀県を超えて拡大していくことを裾野に入れている。同行は4月には、大阪府と兵庫県を中心に展開する池田泉州銀行を傘下に持つ池田泉州ホールディングスと資本業務提携を結んでいる。
(藤井良広)
https://www.shigagin.com/news/topix/00005069/

































Research Institute for Environmental Finance