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農林中央金庫、フードロス対策の世界銀行のサステナブル・デベロップメントボンド5億㌦(約535億円)を私募で引き受け。新興国等での物流インフラ整備に充当(RIEF)

2019-09-19 14:01:05

foodlossキャプチャ

 

  農林中央金庫は、世界銀行が私募形式で発行したサステナブル・デベロップメント・ボンド(SDB)5億㌦(約535億円)を引き受ける。世銀は調達資金を全額、世界的課題となっている食品ロス・廃棄問題への対策事業に充当する。農林中金がフードロス対象のSDBに投資するのは初めて。

 

 農中では、サステナブル経営の一環として、「農林水産業・食・地域へのポジティブインパクトの創出」として、安心・安全な食料供給への貢献等の課題に取り組んでいる。今回のフードロス問題解決のための世銀のSDBの引き受けは、資金運用面からの取り組みと位置づけている。

 

 今回の世銀のSDBは、フードロス問題の解決のために、同行が発行する債券としては世界最大額になる。資金使途は、新興国の農産品の貯蔵施設や物流のためのインフラ整備などに充当する予定。フードロスの削減は同時に、温室効果ガスの排出削減効果にもつながる。

 

食を大事にする心が失せている
食を大事にする心が失せている

 

 世銀等によると、世界各国で起きているフードロスは、先進国市場での過剰供給のほか、新興国や途上国での食料の不完全な保管設備等の事情によって、生産された食料の概ね3分の1が廃棄されているという。その結果、廃棄された食料から排出されるCO2量は世界の総排出量の約8%を占める。これは、日本の総排出量だけでなく、排出量では世界第三位のインドの排出量も上回る。

 

 農中は「今回の投資は、途上国のフードロス問題等の課題解決だけでなく、CO2削減を通じた気候変動対策にも貢献する。国際分散投資を通じた安定的な収益の確保に資することで、当金庫の目指すサステナブル経営の理念にも合致する」と述べている。農中は64兆円の市場運用資産のうち、1兆円程度をESG投資に充てているという。

 

https://www.nochubank.or.jp/news/news_release/2019/post-543.html

https://www.worldbank.org/en/who-we-are