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世界の金融・ビジネスセンターのイノベーション力や科学力を評価する初の「スマート・センター・インデックス(SCI)」公表。1位はロンドン。米国勢がトップ10に6都市。東京は8位(RIEF)

2020-07-15 23:04:07

SCI002キャプチャ

 

 世界の金融・ビジネスセンターを、科学や技術のイノベーションとその成長度合い等で評価する初の「Smart Cenres Index(SCI1)」が公表された。その結果、トップには英ロンドン市場が選ばれた。2位ニューヨーク、3位シンガポールの順。東京は8位。調査は国際金融センターの競争力調査を実施している英シンクタンクのZ/Yenが行った。

 

 新インデックスは、①イノベーションへの支援体制②創造力の集積度③技術を実現に導くデリバリー能力、の3分野を軸にして評価した。①では政府の規制動向と、イノベーション・技術産業に対する産業界全体での支援体制(commercial ecosystem)の評価。②ではどの分野の技術やイノベーションが当該金融センターの軸になっているかという「強味」の評価だ。③は当該センターの労働力の質、金融力の将来的な競争力やランキング等を評価した。

 

 評価対象とした金融・ビジネスセンターは世界128都市。このうちインデックスには48都市を対象とした。評価項目は127項目。これらの評価項目は世界銀行とOECD、国連、The Economist Intelligence Unitなどの客観性の高い機関が設定する項目を活用した。

 

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 インデックスは、現在の各金融・ビジネスセンターの技術・イノベーションの「スマート度」を評価するだけでなく、「次」の新たな技術の応用・展開への準備への支援も評価するようにデザインしたという。評価項目によるスコアリングは、投資家、企業人、科学者、メディア、アカデミア、政府当局等、多様なステークホルダーによって担当され、各都市が持つ科学、技術、エネルギーシステム、機械学習、フィンテック等の発展度合いを測った。

 

 その結果、1位はロンドン以外では、2位のニューヨークをはじめ、6位までに4つの米都市が、10位まででは過半数の6つの米都市が入った。米国の「底力」が強調される結果だった。ロンドンの首位は、金融力と市内、および郊外に点在する大学機関や研究センター等との連携ネットワークが評価された形だ。

 

 一方、中国の都市は、上海が12位に入ったのが最高。こうしたランキングでは競うように中国都市がランク入りするケースが多いが、今回は低迷した。現在、政治的に混乱している香港は7位で、東京を5ポイント、上海より20ポイント上回った。欧州勢も、ロンドン以外はスイスのチューリッヒ(10位)、ジュネーブ(13位)が入っただけ。いずれも非EU国で、EUのパリやベルリン等は15位以内に入れなかった。

 

 金融センターとイノベーションの連携が十分に浸透していないという面に加えて、「スマート・センター」というコンセプトがまだ確立していない面もありそうだ。

 

https://mondovisione.com/media-and-resources/news/smart-centres-index-1-london-leads-yet-us-dominates-the-top-ten-in-smart-centr/