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伊藤忠商事、長崎・対馬市で回収した海洋プラスチックゴミを再生原料としてゴミ袋開発。海洋プラゴミの再生化は世界でも初(RIEF)

2020-11-26 21:51:46

itochuu001キャプチャ

 

 伊藤忠商事は26日、長崎県の対馬に漂着した海洋プラスチックゴミを再生原料として配合したゴミ袋を開発した。同社は、海洋プラゴミをシャンプーのボトルなどに再生して製品化することを目指している。今回はその第一歩として、ゴミ袋への製品化に成功した。容量30リットルのゴミ袋を10万枚製造、地元の対馬市や長崎市に無償提供する。

 

 海洋プラゴミの再生資源化は、伊藤忠商事と、同社の子会社で日本最大手のゴミ袋メーカーの日本サニパックが共同で開発した。両社は海洋ゴミを再生してゴミ袋にしたのは世界でも初めてのことと強調している。


 両社が海洋プラゴミを回収した対馬は、対馬海流によって運ばれてくる大量のゴミが、年間約2万㎥も漂着することで知られ、「日本一海洋ゴミが多い島」とも呼ばれる。地元の長崎県対馬市は、毎年数億円の回収費用をかけて清掃活動を実施しているが、全量回収は困難で、深刻な社会課題になっている。

 

大量の海洋ゴミが漂着する対馬の海岸
大量の海洋ゴミが漂着する対馬の海岸

 

 現在、同地で回収された海洋プラスチックゴミの一部は油化リサイクル等で活用されている。だが、大半は再生コストがかかることから埋め立て処分されている。その中で、対馬市はSDGs未来都市として海洋プラスチックゴミのリサイクル利用推進を打ち出し、官民連携での活動を展開している。


 伊藤忠商事は対馬市と連携し、海洋プラゴミをマテリアルリサイクルし、再び製品化する事業に取り組んできたが、このほど、再資源化のメドをつけた。同社では、回収した海洋プラゴミを洗浄・破砕した後、再生原料に加工して通常の原料に混ぜる。配合する割合は3%。海洋プラごみは、波や太陽光にさらされて劣化しているため、資源としての再生化は困難だったが、今回、完成品の強度を保ちながら配合することに成功したとしている。

 
 伊藤忠商事は、今回のような再生事業を、ESG推進の重要事業と位置づけている。再生・製品化で得たリサイクル技術を活用し、同社の国内外のネットワークを通じてリサイクルビジネスモデルを作り上げて、循環型社会の実現の推進に貢献するとともに、新たなビジネス展開につなげたいとしている。

 

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2020/201126.html