東京海上日動。傘下の日本工営とともに、河川等の水門を「後付けで自動化」するスタートアップ企業(福岡市)と連携。自治体向けの「水害レジリエンス」サービスを開始(RIEF)
2026-06-09 16:28:16
(写真は、オートマイズ・ラボ社が既存の水門に設置した後付けの自動開閉設備=同社のサイトから引用)
東京海上日動火災保険は8日、自治体による水害対策への支援サービスを開始すると発表した。東京海上HD傘下で建設コンサルタント大手の日本工営とともに、河川や農業用水の水門を遠隔操作で自動開閉する後付け装置を開発・販売に取り組む九州拠点のスタートアップ企業のオートマイズ・ラボ社(福岡市)との3社共同で、気候変動の進展で深刻化する水害対策の治水事業を、総合的に支援するとしている。ラボ社の自動開閉水門の設置を軸に、東京海上と日本工営は災害対策に関する情報や防災コンサルティングを提供する。
東京海上とラボ社は5月に業務提携を結んだ。3社は、水路氾濫の未然防止ソリューションを各地の自治体等に提供するとしている。気候変動の進展により、集中豪雨の発生頻度が増大し、各地の河川や農業用水路などでは、設計時の対想定降雨量を上回る水量をカバーしきれなくなる事態が増え、内水氾濫のリスクがある河川や農業用水の水門管理の向上が求められている。
一方で、各地の河川や農業用水路の水門は、その多くが手動操作で開閉されているうえに、設備の老朽化が進んでいるものが多い。このため、現状では豪雨のたびに、地域住民らの人力による水門操作に頼る形となっており、危険性が高いといった課題が指摘されている。ただ、水門設備を電動化し、遠隔操作がスムーズにいくようにするための設備更新には、多額のコストと工期を要することから、各自治体にとっては現実的な選択肢になりにくいとされている。
ラボ社は、こうした水門が抱える課題に対処できる製品として、手動水門への後付け電動化・遠隔化技術装置(水門ボット)を製造・販売している。3社の連携では、日本工営が保有する流域治水に関する技術や知見と、東京海上が持つ水害データ等に基づいたリスク把握ノウハウ等を活用して、ラボ社の開発設備を設置効率の高い河川等の水門に敷設・管理することで、地域の「水害レジリエンス」を向上させる、としている。
集中豪雨等の自然災害が激甚化・頻発化しており、国土交通省の調査によると、2023年の水害被害額は全国で7,100億円、死傷者数は79人にのぼっている。豪雨時の河川・農業用水路等の氾濫を防止するためには、河川等に設置されている複数の水門操作を連携させ、流量・水位を踏まえて機動的に運用することが求められる。現状は、手動操作に依存する水門が多いため、作業の危険性や負担が大きく、水門同士の連携運用が難しいという課題があるとされる。
3社では、すでに、宮崎県や佐賀県をはじめ、九州エリアにおいて同水門設置による実証事業を開始し、運用面・技術面の検証を進めているという。その検証結果を踏まえて順次、他地域への展開を進めていく、としている。東京海上では「本ソリューションにより全国の自治体における水災レジリエンスを向上させ、水災ハザードエリアの極小化を支援することで、当社は事故を未然に防止し、顧客に安心と安全を提供していく」とコメントしている。
(RIEF)
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/260608_02.pdf

































Research Institute for Environmental Finance