今年5月の世界の平均気温は観測史上2番目の暖かさ。24年の最高気温更新後、やや下がるも再び上昇機運。エルニーニョによる海面水温上昇は明瞭に浮き上がる。EUの気象情報機関(RIEF)
2026-06-16 00:55:47
上図は、「Mercator Ocean International(MOI)」のサイトから引用 https://www.mercator-ocean.eu/bulletin/marine-heatwave-bulletin-30-may-2026/
今年5月の世界の陸域での平均気温は15.81°Cで、観測史上世界で2番目に暖かい5月だった。過去もっとも気温が高かった2024年の5月に比べると、0.10℃だけ低かった。世界の平均気温は、2023年6月から24年6月にかけて13カ月連続で史上最高気温を記録した後、徐々に下がり、25年中には3番目の記録に、今年3月には4番目の記録にと、変動してきた。ただ、今年は後半にエルニーニョの発生が確実視されており、2024年に記録された各月単位の史上最高気温を再び更新する可能性も指摘されている。
EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」が公表した。それによると、観測史上過去2番目の暖かさとなった5月の気温は、直近の平均気温を示す1991~2020年の5月平均より0.55°C高く、推定される1850~1900年の産業革命前の同月平均よりも1.42°C高かった。
欧州では、今年5月の気温はそれほど暖かくなく、過去7番目の気温にとどまった。ただ、春全体(3月~5月)では過去3番目に暖かい春だった。特に5月下旬には、西欧諸国では例年より早く、かつ激しい熱波に見舞われた。
5月を通じて、西欧および中欧の大部分、ならびに東欧の一部の地域では、持続的な高気圧と極端な気温の影響もあり、いずれの地域も平年より乾燥した状態が続いた。乾燥した地域の大部分では、河川流量は概ね平年を下回った。欧州以外では、北米全域では、西部および北部地域では平年より高かったが、東部地域およびアラスカでは平年より低かった。
中央アジアおよび東アジア、ならびにアフリカの大部分では、平均より高い気温が支配的であった。中東、アジアの一部、オーストラリアおよびアルゼンチンの大部分、アフリカ南西部、南極東部の一部では、平年より低い気温となった。米国中部、中央アジアの大部分、マダガスカル、オーストラリア南西部、および南アメリカの大部分が平年より乾燥した地域に含まれた。
日本でも、5月は全国的に気温が平年を大幅に上回った。気象庁によると、特に同月中旬は、東日本や西日本を中心にして、歴史的な高温・少雨・多照となり、初夏を通り越して真夏日を観測する地点が相次いだ。5月中旬としては観測史上1位の高温となった地域が複数あった。
極域以外の海域における海面水温は、5月としては過去2番目に高く、熱帯太平洋では特に高い値が観測された。極域外海域(南緯60°~北緯60°)の平均海面水温(SST)は20.90℃で、2024年の5月に記録された最高値(20.93℃)に次いで、5月の観測史上2番目に高い値だった。

C3Sは、「この記録的な海面水温は、熱帯太平洋の広範囲で平均を大幅に上回る温暖な気象条件に一部起因している」と指摘している。赤道太平洋中部からメキシコ西海岸にかけて広がる広範な海域において、同月の海面水温は4月に引き続いて過去最高を更新した。5月の海面水温上昇のパターンは4月よりも、さらに拡大しているという。
グローバルな海洋環境の調査・分析を手掛ける非営利団体「Mercator Ocean International(MOI)」の観測によると、5月30日時点の太平洋の海域では、北太平洋において、西経180°、北緯50°付近に海洋熱波がある。強度は安定しているものの、特に東側で縮小している。日本海では、海洋熱波(MHW)の範囲と強度が拡大している(上図参照)。
北緯0°から15°にかけての赤道帯のほぼ全域に広がる海洋熱波は、範囲は安定しているものの、全体的に強まっており、中央アメリカ沖では「深刻」から「極度」の強度に達している。フィリピンおよびインドネシア周辺に位置する海洋熱波は、強度と範囲が縮小している、としている。
南太平洋では、西経110°付近の南太平洋中部における海洋熱波は、範囲は安定しているが、西経130°付近では強度が低下している。フィジー諸島の北に位置する海洋熱波は、強度を増している。ニュージーランド南部の海洋熱波は、強度と範囲の両方で拡大しており、現在では同国西部にまで達しているとしている。
世界気象機構(WMO)によると、今後数カ月の間に、エルニーニョ現象が発生することは事実上確実だとしている。すでにMOIの分析でも明らかなように、赤道太平洋の大部分において、海面水温は平年を上回っており、「進行中のエルニーニョへの移行」を反映しているとしている。
東太平洋の赤道域付近だけでなく、その他の多くの海域でも、平均を大幅に上回る水温が観測され、局地的には過去最高値を記録するケースも多かった。これには、北太平洋北西部、南半球の広範な海域、北大西洋西部、地中海、および北欧海が含まれるとしている。
極域での海氷面積は、北極圏では5月としては過去4番目に少なく、特にバレンツ海北部およびスバールバル諸島周辺では海氷の被覆率が著しく低かった。一方の南極海海氷面積は、5月としては過去7番目に少なく、ベリングスハウゼン海では海氷の被覆率が平均を大幅に下回った。
(藤井良広)
https://climate.copernicus.eu/climate-bulletin
https://wmo.int/news/media-centre/wmo-prepare-el-nino
https://www.mercator-ocean.eu/bulletin/marine-heatwave-bulletin-30-may-2026/

































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