「2カ月で2度目の熱波襲来」の欧州。サハラ砂漠からの乾いた空気の層(ヒートドーム)を閉じ込める蓋(ふた)のような『オメガブロック』が欧州上空に定着。いびつ化する気象(RIEF)
2026-06-24 00:23:20
(写真は、『オメガブロック』によって封じ込められるヒートドーム=Severe Whether Europeより)
欧州が熱波で覆われている。フランスでは22日にロワール地方シャトーメイヤンで気温43.3℃が観測された。フランス当局は、パリおよび同国西半分を含む54の県に対し、熱波警報(赤色)を発令した。フランス、スペインなどの多くの都市では、地域の最高気温記録が更新されている。急激な熱波の襲来により、家庭・オフィスでの冷房需要も過去最高に達し、フランスの夜間電力価格は2022年のエネルギー危機以来の最高値まで跳ね上がった。まだ夏の入口だが、気候崩壊への入口なのかーー。
英国気象庁(Met Office)も22日、今週の24日と25日を対象として、極めて稀な猛暑警報(赤警報)を発令、今後数日のうちに6月の国内最高気温記録が「極めて高い確率で」更新される可能性があると警告を発した。同機関によると、今週の気温は少なくとも39℃に達する可能性があり、夜になっても20℃を下回ることはまずない見込みとしている。
フランス、スペイン、イタリアでも赤色の熱波警報が発令され、ドイツ、イタリア、スイスの気象当局も同様の警報を出した。ロイター通信によると、フランスだけで少なくとも18日以降に40人が水の事故で死亡。気象機関メテオ・フランスが「長期化かつ激しい」熱波が現在進行中であると警告を発したことを受け、国内の数百校の学校は休校措置となった。スペインではワールドカップ観戦イベントが中止された。
深刻な熱波が続く中、セバスチャン・ルコルニュ仏首相は23日、閣僚らを集めて危機管理会合を開いた。会合で首相は、「18日以降に40人が水の事故で死亡した。その大半が若者たち。彼らはわれわれが直面している危機の最初の犠牲者だ」と述べ、気候災害への危機感を示した。

イタリアのメローニ政権は、猛暑による経済・社会的な混乱の発生に備えて、労働者を保護するための経済措置を承認した。政府の声明によると、この政令により、特定の企業は熱波の期間中に勤務時間を停止または短縮し、賃金補助給付を受けることができるようになる。
イタリアの多くの地域では、猛暑の期間中、午後12時30分から午後4時まで屋外での肉体労働を一時的に停止することを義務付ける措置が導入されている。今後数日間、ローマとミラノでは気温が35℃を超えると予想されており、ボローニャ近郊、サルデーニャ島、南部のプーリア州では40℃に達する可能性もあるとしている。
欧州では5月にも欧州全土を包み込む「ヒートドーム」が発生しており、わずか2ヶ月間で2度目の熱波の襲来を受けている。欧州の気候サイト(Severe Weather Europe: SWE)によると、欧州全域を覆っている熱波は、サハラ砂漠からの乾燥した空気の塊を閉じ込めて、大気を下方に圧縮し続けるような形をとることから「オメガ・ブロック」と呼ばれている。同ブロックが巨大なヒートドームを欧州大陸の上空に閉じ込める「蓋」の役目を果たすため、猛烈な熱波が停滞する。
SWEによると、この「ヒートドーム」の勢いは極めて強く、現在のパターンが続いているため、気団の圧縮により、下層の大気循環が全くない状態で、気温が日ごとに指数関数的に上昇している。5月の記録的な干ばつによって、各地の表土の水分も完全に失われており、地球が自らを冷却する自然な能力が失われ、主要な都市部は「コンクリートのオーブン」状態になっている、と指摘している。
さらに週半ばには、フランスのブルターニュからペイ・ド・ラ・ロワール地方にかけて、気温が42~45°Cに達すると予想される一方で、時速50kmに達する突風の発生も予想されている。そうなると相対湿度は10%を下回る乾燥状態となる。このような状況下では、「ヒートウェーブ・フラッシュ・ドライアウト(HWFD)」現象(一般に「ヘアドライヤー効果」またはフラッシュ・ドライアウトと呼ばれる)が発生する可能性が高いとされる。要するに、自然の熱風ドライヤーをまともに浴びせられる格好になるようだ。
連日の猛暑の影響で、冷房の使用度が急増することで、欧州の電力網やエネルギー市場にも負担がかかっている。フランスの夜間電力価格は2022年2月のロシアのウクライナ侵攻時のエネルギー危機以来の最高値まで上昇した。卸売電力市場のデータによると、今週の夕方のピーク時間帯の電力価格は急騰し、ベルギーでは24日の午後9時から10時にかけて、1MW時当たり933.28ユーロに達した。
欧州の電力供給は、ヒートドームの影響で風力発電用の風況が得られずに低迷していることに加え、フランスなどの原子力発電所は、冷却用の河川水の水温上昇により、発電量が制限されていることもあり逼迫している。
原発に対する出力抑制は22日の夜遅く、フランス南西部のガロンヌ川沿いにあるゴルフェック原子炉で始まり、その後、23日の午後にはセーヌ川沿いのノジャン原子炉でも出力が削減された。フランス電力公社(EDF)によると、24日と25日にも他の3か所の原発でさらなる出力削減が行われる可能性があるとしている。
(藤井良広)
https://www.cnbc.com/2026/06/23/extreme-heat-wave-europe-weather-climate.html

































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