異常な熱波の発生、陸上だけでなく海洋でも。今年上半期の地球全体の平均海面水温は観測史上番目に暖かい20.94°。6月は過去最高水温。「ホットスポット」は赤道太平洋など3カ所(RIEF)
2026-07-02 18:16:09
(上図は、赤い色が濃い海域が海面水温が高い=CMEMSより引用)
欧州を中心に、熱波の拡大が深刻化しているが、陸上だけでなく、海洋でも広範囲にわたって「海洋熱波」が観測され、今年上半期(1月~6月)の地球全体の平均海面水温は20.94°Cで、観測史上2番目に暖かい上半期だった。6月単月の平均海面水温は21.0℃と過去もっとも海面水温が高かった。エルニーニョによる影響が出ている赤道太平洋のほか、地中海、北大西洋中部のいずれもが高温のホットスポットとなっている。EUのコペルニクス海洋サービス(CMEMS)が公表した。
CMEMSは、EUの地球観測プログラム「コペルニクス」を構成する6つのサービスの1つ。グローバルおよび欧州の両規模を対象に、「ブルー(物理)」、「ホワイト(海氷)」、「グリーン(生物地球化学および生物)」の各海洋に関する定期的かつ体系的な参照情報の分析および予測を行っている。
今回の今年上半期を対象とした評価では、南緯60°から北緯60°までの世界中の海域における海面水温(SST)が観測史上、過去2番目に高い海面水温だった。上半期を通じて海洋熱波は着実に拡大し、最終的には全球の海洋の約82%に影響を及ぼした、としている。
広大な海洋のうち、地中海、北大西洋中部、赤道太平洋の3海域がいずれも高温の「ホットスポット」となった。CMESの主任海洋学者でメルカトル・オーシャン・インターナショナル所属のサイモン・ヴァン・ジェニップ(Simon Van Gennip)氏は「これらの地域的な兆候は、海洋が持続的な熱ストレス下にあるという一貫した状況を示している。引き続き、継続的かつ高解像度の海洋モニタリングが必要」と強調している。
このうち、熱帯太平洋(南緯30°~北緯30°)の上半期の平均海面水温は、これまでの再考海面水温だった2016年の記録(26.91°C)と並ぶ水準を記録した。この海域の大部分では単月ごとの水温記録が相次いで更新された。特に赤道太平洋西部およびペルーとカリフォルニア沖の東部湧昇域において、最も強く、かつ最も持続的な温暖化の影響が観測されたとしている。
同海域全域では海洋熱波も激化した。海域全体の約60%で、強いまたはそれ以上の強度を持つ海洋熱波が観測され、2024年の同時期に観測された範囲を上回った。海洋熱波の範囲が拡大しているわけだ。同海域の6月単月の平均海面水温は27.26°Cを記録し、これまでの最高値だった2023年の同月の水温26.90°Cを上回り、観測史上最も暖かい6月の水温だった。
同海域の水温の上昇は、エルニーニョ現象の発生と一致している。エルニーニョ現象は通常、熱帯太平洋の一部で平均を上回る水温をもたらすとともに、世界中の気象や海洋状況に影響を及ぼす。欧州の陸上での熱波の広がりにも、インパクトを与えているとみられている。
地中海海域での上半期の平均海面水温は18.07°C。2024年および2025年に次いで観測史上3番目に暖かい上半期だった。海洋熱波は、地中海盆地のほぼ全域(98%)を覆った。1月から6月にかけて、地中海の約80%で「強い」「深刻」、あるいは「極度」の海洋熱波状態が観測され、中でも西地中海では最も長期にわたる現象が発生した。
同海域で「強い」以上の海洋熱波が観測された範囲としては、2025年(88%)および2024年(95%)に次いで、観測史上2番目に広い範囲だった。
北大西洋(北緯0°~60°)の亜熱帯域では海面水温が過去最高値を記録した。この間、4カ月もの間、単月ごとの月間最高気温も更新された。欧州の大西洋沿岸の一部でも、同様の過去最高気温が観測された。また、北大西洋の3分の1が、「強い」「深刻」、あるいは「極度」の海洋熱波状態が観測されたとしている。特に、最も強く、かつ長期にわたる現象は、中央海域および欧州西側の海域で発生した、としている。
(藤井良広)

































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