HOME8.温暖化・気候変動 |6月の世界の平均気温は16.54℃。観測史上2番目に「暖かい6月」。エルニーニョの影響で南緯60°~北緯60°の海域での同月の平均海面水温は過去最高。海氷は北極、南極ともに縮小(RIEF) |

6月の世界の平均気温は16.54℃。観測史上2番目に「暖かい6月」。エルニーニョの影響で南緯60°~北緯60°の海域での同月の平均海面水温は過去最高。海氷は北極、南極ともに縮小(RIEF)

2026-07-09 23:44:44

上図はEUコペルニクス気候変動サービス(C3S)から引用=赤い地域の気温が、平均より3℃から7℃超の上昇地帯)

 

  欧米で熱波が続くが、今年6月の世界の平均気温は16.54°Cで、世界的に観測史上2番目に暖かい6月だったことがわかった。このうち西欧諸国の同月の気温は、観測史上最も高くなり、ロンドン、パリをはじめ多くの地域で40℃を超える記録的な高温が続いた。欧州全体でも6月としては過去2番目に暖かい月で、同月後半には、大陸の大部分を激しい熱波が襲った。一方、海面水温は、赤道太平洋でエルニーニョ現象が進行していることを受け、極域以外の海域の同月の海面水温は観測史上最高を記録した。

 

 EUの気象観測機関のコペルニクス気候変動サービス(C3S)が発表した。6月の世界的な平均気温の16.54℃は、1991~2020年の6月平均より0.56°C高く、1850~1900年の産業革命前の推定平均気温より1.39°C高かった。これまで同月として最も気温が高かったのは、2024年で、今年の同月の気温よりも0.12°C高い。過去12カ月間(2025年7月から2026年6月)の世界平均気温は、1991~2020年の平均より0.55°C高く、1850~1900年の産業革命前の平均より1.43°C高かった。https://rief-jp.org/ct12/166805?ctid=

 

 地域別にみると、欧州以外では、中央アジアや西シベリア、カナダ北部、および南極半島西部で平均を大幅に上回る気温となった。アフリカ、オーストラリア、および米国西部の大部分でも、平均より暖かい状態が続いた。一方、東アジアの一部、南アメリカ南東部、および東南極の大部分では、平均より寒い状態が見られた。

 

 気温以外の気候変動の影響としては、米国やカナダの一部、南米の一部、中東、中央アジア、ロシアなどで平均より乾燥が進んだ。また、北米の一部、アジア最東部、アフリカ南部、オーストラリアは平均より湿潤で、いくつかの地域で洪水が報告された。日本も梅雨の影響での豪雨被害が各地で起きた。

 

  欧州では西欧の大部分および中欧・東欧に及ぶ広範囲で、持続的な高気圧と極端な気温に伴い、平均より乾燥した状態が続いた。乾燥した地域の多くでは、河川の流量が概ね平均を下回った。ヒートドームが滞留した欧州では大部分の地域で、同月の気温が平年を上回った。同月後半に大陸の広範囲を襲った激しい熱波の影響を反映している。

 

 最も大きな気温の異常は、熱波の影響を最も強く受けた各地で観測された。フランス、ドイツ、英国、スペイン、イタリア、ベネルクス諸国では、月間気温が平年を3~5°C上回った。

 

 各国の報告によると、英イングランドとフランスでは観測史上最も暑い6月を記録した一方、英国全体、ならびにドイツおよびオランダでは、観測史上2番目に暑い6月だった。また、ドイツ、チェコ、ポーランド、ハンガリーなどの欧州各地で、6月の日最高気温の記録や、一部の地域では観測史上最高気温の記録も更新された。平年より気温が低かったのは、欧州域の最東端にあたるロシア西部とトルコのみだった。

 

 海面水温の上昇も進んだ。赤道太平洋でエルニーニョ現象が進行する中、極域以外の南緯60°~北緯60°における6月の平均海面水温(SST)は20.86°Cを記録した。2024年6月のこれまでの6月の最高記録(20.85°C)をわずかに上回る同月の観測史上最高値を更新した。

 

 7月に入っても、海面水温の上昇はさらに続いており、これは2023~2024年の強力なエルニーニョ現象の発生および熱帯太平洋および北大西洋の広範囲にわたる異例の高水温と一致している、としている。C3Sは、この太平洋の広範囲(赤道太平洋中部からメキシコ西海岸にかけて)での海面水温の上昇は、4月以降顕著であり、エルニーニョ現象の監視に用いられる「ニーニョ3.4海域」の一部に及び、「深刻」から「極度」のレベルの海洋熱波状況と関連している、と指摘している。

 

 世界気象機関(WMO)によると、現在のエルニーニョ現象は今後数ヶ月で急速に強まると予測されている。局地的には、北太平洋北西部、南半球の海域の大部分、北大西洋西部、地中海、および北欧諸海等の多くの海域でも、平均を大幅に上回る水温が観測され、過去最高値を記録するケースも多かったとしている。

 

 海面水温の上昇を受けて、同月の北極海の平均海氷面積は1,090万km²で、1991~2020年の6月平均値を0.6百万km²(5%)下回った。過去48年間の衛星観測記録において6番目に低い海氷面積だった。特にスヴァールバル諸島やフランツ・ヨセフ・ランド周辺のバレンツ海北部では海氷の被覆が著しく少なかった。

 

 同月の北極の海氷面積は、過去2番目に低かった前年(2025年6月)の値に比べても、わずか0.1百万km²小さいに過ぎないレベルでもある。南極海の海氷面積も6月としては過去6番目に少なく、ベリングスハウゼン海では海氷の被覆率が平均を大幅に下回った。

                           (藤井良広)

https://climate.copernicus.eu/surface-air-temperature-june-2026

https://climate.copernicus.eu/sea-ice-cover-june-2026