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住友生命と第一生命、「ブラックロック・リアルアセッツ」運用の再エネ・インフラファンドに各1億㌦投資。環境・社会へのインパクトと、投資収益を同時追求(RIEF)

2020-12-03 21:42:37

blackrock001キャプチャ

 

 住友生命保険と第一生命保険は、 「ブラックロック・リアルアセッツ」が運用する、再生可能エネルギー関連施設への投資に特化したインフラファンドに、それぞれ1億㌦(約105億円)を投資した。同ファンドは、主にOECD加盟国で建設される太陽光・風力などの再エネ発電施設や、蓄電・送配電施設等の発電関連施設を投資対象とするグリーン・インフラファンド。

 

 両生保が投資したのはブラックロック・リアルアセッツのファンドの「Global Renewable Power Fund Ⅲ」。第一生命は10月に、住友生命は11月にそれぞれ投資を決定している。

 

 同ファンドは、環境や社会に好影響を及ぼすインパクトと投資収益を同時に追求する運用アプローチをとっている。対象事業はOECD加盟国を主な地域とする太陽光・風力などの再生可能エネルギー発電施設の建設・ 運営プロジェクトや、送配電・蓄電施設などの発電に付随する設備とする。

 

 これらの発電関連インフラは、発電から電力を消費者等に提供するまでを通じた再エネサプライチェーン構築を通じて、環境、社会にポジティブなインパクトを与えると同時に、長期安定的な運用収益の獲得が期待される。同ファンドでは、投資先プロジェクトから創出される社会的インパクトの定量的な計測や報告を実施して、インパクトの実績を担保している。

 

 インパクトの定量評価は、クリーン・エネルギーの発電量に基づく温室効果ガス排出の削減、 施設の建設・運営に関する現地での雇用創出などを指標に定めて計測する。また、独自の手法に基づ きインパクトを金銭的価値へ換算することで、投資金額対比でのインパクト創出額の状況もモニタリングするという。

 

 ブラックロック・リアルアセッツは、世界中で250以上の太陽光、風力発電事業に投資している。投資総額は65億㌦(約6825億円)に上る。この発電規模はスペイン一国の電力を供給できる規模だ。同社が運営してきたGRP IIは16億5000万㌦規模で、北米、欧州、アジアの事業を対象とした。同ファンドへの投資が一巡したことから、今回GPRⅢを立ち上げている。

 

 同社はブラックロックの実物資産への投資部門。世界30カ所に拠点を持ち、390人以上の専門家を抱える。今年6月末時点で、580億㌦(約6兆円)の資産を運用している。

 

 住友生命は、「事業活動を通じて国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組みを進めている。ESG投融資をその主要な取組みの1つとして位置づけており、今回の投資はその一環」と位置付けている。第一生命も「運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとと もに、 責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG 投資に積極的に取り組んでいく」としている。

https://www.sumitomolife.co.jp/about/newsrelease/pdf/2020/201127.pdf

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_053.pdf