東京海上日動。政府のGX-ETS制度の発足を受け、「GX-ETS保険」開発。対象企業で火災や事故等が起き、排出削減計画が困難になる場合に追加クレジットの購入等の必要費用を補償(RIEF)
2026-05-17 01:29:39
東京海上日動は、日本政府がGX政策で排出量取引制度(GX-ETS)を立ち上げることを受けて、新たに「GX-ETS保険」の商品を開発、提供を始めたと発表した。同保険は、ETS制度の対象となる企業を対象とし、当該企業の施設において、火災や事故などが発生し、排出削減目標の達成が困難となる場合、新たに排出枠やカーボンクレジット等を追加購入する際に必要となる費用等を補償するとしている。
新たに開発した保険商品は「GX-ETS関連費用補償保険」。同保険は、ETSの対象となる企業の施設において、火災、爆発等の不測かつ突発的な事故が発生し、一定期間にわたり当該設備の操業停止や能力低下等が生じることで、GX-ETSの制度で定められる排出削減計画に影響が出る場合、計画達成に向けて追加で必要になる費用を補償する内容だ。
政府のGX-ETS制度は、直近の3カ年でCO2の直接排出量が年平均10万㌧以上の企業などの事業者に対して、同制度への参加を義務付けるものだ。対象事業者には排出枠が割り当てられるとともに、企業ごとに排出削減目標の策定と、目標の達成を求める。対象事業者は、事業活動によって生じる排出枠の過不足に応じて、対象事業者間で排出枠の売買ができるほか、クレジットを購入して排出枠の不足分を埋めることも認められる。
こうした制度による影響として、対象企業は使用するエネルギーをCO2排出量の少ない再生可能エネルギー電力に切り替えたり、生産プロセスをよりエネルギー効率の高い仕組みに切り替える等の対応・努力を強めることが期待されている。
一方で、対象企業にとって、想定通りの排出削減ができればいいが、想定外の事故や不祥事等で計画通りの削減が困難になり、追加費用がかさむ可能性もある。これまでの企業向け火災保険や利益保険では、そうした事故による物的損害や休業損失の補償を提供しているが、排出削減目標の達成に向けて必要となる追加補償を提供する保険商品はなかった。東京海上日動の新保険はそうした排出取引制度に伴う費用補償をカバーするものだ。
対象となる主な費用としては、①代替燃料調達費用②排出枠やカーボンクレジットの追加購入費用③追加対策要否検討費用④排出枠再計算費用ーーの4点を例示している。
このうち①の代替燃料調達費用の補償は、当該企業の施設において、何らかの事故が発生して、設備の操業停止または能力低下などが生じた場合、従来通りの操業を継続するために、新たに低炭素燃料等を調達する費用が必要になることをカバーするものだ。
②の排出枠やカーボンクレジットの追加購入費用は、事故等によって計画比で排出量が増加したことを埋め合わせるために、追加の排出枠やカーボンクレジットを調達するための費用をカバーする。ただ、この①のケースも②のケースも、排出先の設備が事故等で停止すると排出量自体も減少するので、必要費用を計算するうえでは、そうした減少分を相殺する必要がある。
③の追加対策要否検討費用は、事故に伴い追加対策(代替燃料の調達や排出枠の購入など)の検討について専門家に助言を求めるうえで必要な費用としている。④はそうした事故発生に際して、当初の排出削減計画から変動した排出枠の再算出の計算を、外部企業に依頼する場合に必要な費用としている。
(RIEF)
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/260515_01.pdf

































Research Institute for Environmental Finance