HOME |トヨタ自動車、燃料電池車「ミライ」の電池システムをパッケージ化して今春から外販。バスやトラック等の運輸分野やオフィス・工場等にも活用。「カーボンニュートラル時代」に対応(RIEF) |

トヨタ自動車、燃料電池車「ミライ」の電池システムをパッケージ化して今春から外販。バスやトラック等の運輸分野やオフィス・工場等にも活用。「カーボンニュートラル時代」に対応(RIEF)

2021-02-28 14:43:21

toyota003キャプチャ

 

 トヨタ自動車は、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」に搭載している発電装置をモジュール化したシステムを今春から外販する。カーボンニュートラルを目指すバスやトラック、鉄道などの運輸業界のほか、工場やオフィスの電力源等としての需要に対応する。カーボンニュートラルの究極のエネルギーとしての水素への需要拡大を受けて、燃料電池(FC)を自動車以外にも展開する「水素未来戦略」といえる。

 

 (写真は、2代目ミライの燃料電池ユニット)

 

 トヨタが開発したのは、FCモジュールは、高性能化された2代目ミライのFCの発電装置であるFCスタックをベースに、専用の昇圧コンバーターを内蔵して、発電からエア供給・水素供給・冷却・電力制御などを一環するコンパクトなパッケージ化した点が特徴だ。

 

 定格出力は60kWと80kWの2種、それぞれに縦型(TypeⅠ)と横型(TypeⅡ)の2種の計4タイプを用意した。 サイズは、横型が長さ127cm、幅63cm、高さ41cm、縦型が長さ89cm、幅63cm、高さ69cm。

 

縦形㊧と横型㊨の2種類
縦形㊧と横型㊨の2種類4タイプ

 

 用途としては、バス、トラック、鉄道、船舶などのモビリティ分野や定置式発電機などのほか、FC製品の開発・製造事業者、また一般のオフィスや工場等での自家発電等にも活用が可能。建機や農機等の分野に使える小型タイプは、豊田自動織機が開発を進めており、2年後の発売を目指しているという。

 

toyota001キャプチャ

 

 トヨタはこれまでも、ミライのほか、FCバス「SORA」等の販売や、FC製品事業者へのFCシステムの販売、FC関連の特許実施権無償提供などの形で、FC技術の拡大活用を進めてきた。こうした中で、水素エネルギー活用への潜在的な需要が大きく存在することと、日本をはじめとする主要な国々で「2050年カーボンニュートラル」を目指す動きが台頭してきたことから、燃料電池の利用を広範囲に広げることができると判断した。

 

 FCシステムは、水素と酸素を化学反応させて発電する装置。トヨタが2014年に世界で初めて市販化したFCV初代ミライから搭載されている。初代ミライはこれまで世界で合計約1万1千台を販売している。一方で、異業種からは、電力源として使うためにFCシステムだけの販売を求めるニーズが寄せられていたという。

 

 FCモジュールの外販に際して、電圧範囲を広く(400~750V)し、FC専用の昇圧コンバーターを内蔵したことでモーター・インバーター・バッテリーなどを備えた既存の電気機器に直接接続できるようにした。このため、需要先の用途に応じて4タイプのモジュールを組み合わせて活用することで、様々な出力、搭載スペースに応じて対応できる。

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34799387.html