第11回サステナブルファイナンス大賞⑲国際賞:コートジボワール共和国「初のサブサハラのアフリカ諸国によるサステナビリティ・サムライ債(円建て債)発行」(RIEF)
2026-04-21 12:24:29
(写真は、㊧から、国際賞の表彰額を受け取ったコートジボワール駐日大使のイポ・ボリエ・デジレ・ウルフラン氏、審査員(GX推進機構理事)の高田英樹氏、環境金融研究機構代表理事の藤井良広、の順)
西アフリカのコートジボワール共和国は、サブサハラのアフリカ諸国として初めて、円建ての「サステナビリティサムライ債」を500億円(約3億ユーロ)を発行したことで、第11回サステナブルファイナンス大賞国際賞に選ばれました。同サムライ債は国際協力銀行(JBIC)が一部保証を付与しており、JBCが保証する初の円建てサステナビリティボンドともなりました。今回は同国側の事情で担当者のインタビューはできませんでしたが、授賞の概要とともに、同国の駐日特命全権大使のイポ・ボリエ・デジレ・ウルフラン( IPO Gbolié Désiré Wulfran)氏の表彰式でのスピーチ内容を紹介します。
<コートジボワール共和国の国際賞受賞の背景>
コートジボワールは、パリ協定に基づく国ごとの気候変動対策の行動計画である「国別貢献(NDC)」に基づいて、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を30.41%(ビジネス・アズ・ユージュアル(BaU)比)削減する目標を公表している。
それに基づき同国政府は、2021年に「2021~2025年国家開発計画(Plans Nationaux de Développement 2021-2025)」を策定。同計画では、包摂的な成長の促進と地域格差の是正、交通・通信・水道などの基礎インフラの整備、ならびに森林保護や再生可能エネルギーの導入などの措置を通じた気候変動や環境保全を含む社会的課題への対応を目的とした政策を掲げている。
<国際賞の対象>
2025年7月に発行されたサステナビリティ・サムライ債により調達された資金は、同国のSBF(サステナビリティ・ボンド・フレームワーク)に基づき、国内での社会課題への取り組みを支援するための適格支出として充てられるとされている。
同国は2021年7月に「サステナブル・ボンド・フレームワーク(SBF)」を策定し、2023年9月に改訂している。同フレームワークは、国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則」および「ソーシャルボンド原則」に準拠している。今回、初めて同国政府が発行したサステナビリティ・サムライ債は、このフレームワークに沿っている。
今回のサステナビリティ・サムライ債には、JBICが設ける「東京市場活性化に向けた保証・引受(GATE)」制度に基づいて、JBICの一部保証が付されている。JBICの同制度により保証を付与した初の円建てESG債券となった。また同債券発行は、サブサハラのアフリカの発行体が日本の債券市場で発行した初の事例でもある。
同サムライ債は償還期間10年、発行規模500億円で、クーポン 2.33%。SMBC日興証券がリードアレンジメントを務め、三菱UFJモルガン・スタンレー証券社がコ・アレンジメントを務めた。利回りは、リ・オファー・スプレッド:円スワップ・ミッド・TONAレート+105bpsとなった。
今回のサムライ債発行は、不確実な市場環境によって投資家の選好が短期債へシフトする中、10年債での発行にもかかわらず、日本のトップクラスの機関投資家からの需要を獲得し、目標額である500億円(約3億ユーロ)の調達に成功した。この成果は、JBICによる信用補完に加え、コートジボワールがノンディール・ロードショーを実施して投資家に自国の信用力を説明し、投資家の質問に対応するために継続的なコミュニケーションを維持した取り組みによって大きく支えられた、と評価されている。
<イポ・ボリエ・デジレ・ウルマン大使の挨拶概要>
今回のサムライ債の発行は、コートジボワールにとって大きなマイルストーンになった。歴史上、初めて、サブサハラのアフリカの国として発行したサムライ債であり、われわれによるアジアの資本市場への強固なエンゲージメントを示すものだ。

本サムライ債発行では、多大なるサポートを国際協力銀行(JBIC)から頂いた。JBICから保証を提供していただいた結果、500億円の発行規模で、かつ、10年債という長期の発行、さらに2.33%という低金利を達成できた。今回、ESGフレームワークで発行できたことで、将来を見渡して、われわれコートジボワールは日本のパートナーとして、(日本との)さらなる関係強化をしたいと考えており、(日本は)われわれの国際的な計画の重要な一部となっている。
サムライ債については、一過性のものではなく、中長期的には再度、起債をしたいと考えている。今回の件が、他の全アフリカ諸国に良い影響があることを期待している。また、さらなる日本の皆様とコートジボワールとの共存共栄、さらなる発展があることを祈っている。
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<サステナビリティ・サムライ債の発行内容>
発行体格付け Ba2(ムーディーズ)/BB(S&P)/BB-(フィッチ)
保証機関 JBIC(AA+(R&I)/AAA(JCR)/A1(ムーディーズ)/A+(S&P))
形式 JBIC保証付き私募サステナビリティ・サムライ債
債券格付け なし
償還期間 10年
発行規模 500億円
クーポン 2.33%
リ・オファー・スプレッド:円スワップ・ミッド・TONAレート+105bps
発行規模:500億円
価格決定日:2025年7月10日
決済日 2025年7月17日
満期日 2035年7月17日
(藤井良広)

































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