HOME10.電力・エネルギー |タンザニアで民間主導の「JCMクリーンクックストーブ事業」始動へ。現地家庭に70万台を展開、10年間で400万㌧のCO2削減。創出クレジットを日本のGX-ETS対象企業向けに販売(RIEF) |

タンザニアで民間主導の「JCMクリーンクックストーブ事業」始動へ。現地家庭に70万台を展開、10年間で400万㌧のCO2削減。創出クレジットを日本のGX-ETS対象企業向けに販売(RIEF)

2026-04-23 00:35:33

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写真は、アフリカの家庭に導入されたクックストーブで調理する女性=UpEnergyのサイトから引用)

 

 GX-ETSのスタートで、日本企業のカーボンクレジット需要が増大することを想定して、アフリカのタンザニアで、日本政府との二国間協定(JCM)に基づき、最大70万台のクリーンクックストーブを展開して10年間で累計400万㌧のカーボンクレジット創出を目指す大規模な民間主導プロジェクトが立ち上がる。今回の取り組みは日本政府の初期補助金に依存しない「100%民間主導のJCM」として展開するという。

 

 同プロジェクトは、カーボンクレジットへの投資活動をグローバルに手掛ける「ブリックレイヤー・アセットマネジメント(BLAM)」が、現地のクリーンクックストーブ事業を展開する大手企業の「UpEnergy」社と連携して推進する。BLAMは、同プロジェクトに投資参加する日本側の企業を募集するとともに、GX-ETSの対象となる企業向けに、プロジェクトで創出するクレジットの販売契約を進めるとしている。

 

 プロジェクトの展開は、タンザニアの主要7州において、高効率改良型のコンロ「Gen 1.5 ICS」を各家庭に配布し、伝統的な薪を燃やす調理手法からの転換を促す。これにより、これまで燃料用に伐採されていた森林の減少を年間46.9万haのペースで抑制するとともに、CO2排出量を2026~35年の10年間で累計400万㌧を削減することで、JCMクレジットを創出する。

 

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 今月から日本国内でスタートしたGX-ETSでは、民間企業が創出するJCMクレジットについても、自社の排出削減分としてカウントできることになっている。このため、BLAMはGX-ETSの対象となる企業向けに、タンザニア・プロジェクトで創出するクレジットを販売していく方針だ。

 

 タンザニアではクックストーブへの転換率はまだ8%前後にとどまっているが、同国政府が打ち出した「国家クリーンクッキング戦略(2024~2034年)では、34年までに同ストーブの普及率を80%に引き上げる方針を示している。昨年5月に日本政府との間でJCM協定を結んでおり、クリーンクックストーブ普及促進に対して、両国政府からの全面的なバックアップが期待できる体制にある。

 

 BLAMでは、今回のプロジェクトから創出されるクレジットについて、特にGX-ETSの基盤が固まる30年までに100万㌧分のクレジットを創出し、日本企業向けの投資物件、あるいはETS対象企業の自社削減分の充当用等の形で供給していくことを目指すとしている。

 

 現地で連携する「UpEnergy」社は、2011年設立で、気候ファイナンスとエンジニアリング、行動科学のそれぞれの専門家を抱えている。彼らが生み出す成果は、クレジットの創出にとどまらず、地域コミュニティの生活水準の向上、健康被害の低減(煙害の減少)、森林保全(伐採の抑制)、燃料消費削減(クリーンなエネルギー展開)等の「生活に直結する社会的インパクトの創出」につながっている。

 

 また、同社は日本のブロックチェーン技術、も活用することで各家庭でのCO2排出削減データの信頼性を担保するとともに、データの改竄防止等のモニタリングシステムの整備により、クレジットの品質向上を担保できるとしている。


 BLAMでは「『UpEnergy』の取り組みにより、従来のJCMとは異なり、アフリカにおける生活改善と環境保全を両立する『新しいJCMプロジェクト』になる」と指摘している。

                                                                                                                                       (藤井良広)

https://www.blamj.com/

https://www.upenergygroup.com/community-cooking