中東のUAEがOPECを脱退へ。ロシアを含めたOPECプラスからも離脱。UAEの原油・ガスの供給増により、ガソリン価格等の下落へ。米国のエネルギー戦略との連携がカギを握る(各紙)
2026-04-29 01:50:14
各紙の報道によると中東のアラブ首長国連邦(UAE)は28日、石油輸出国機構(OPEC)から5月1日付で脱退すると発表した。OPECに非加盟のロシア等の産油国を合わせた「OPECプラス」からも離脱する。米イランの軍事衝突で原油市場が混乱するなか、中長期で供給責任を果たすためとしている。同国は余剰生産能力が大きく、OPEC内の生産枠調整で重要な役割を果たしてきたがOPECからの離脱で、増産にシフトするとみられ、原油価格の低下につながる期待もある。ただUAE離脱の背後に、米国の後押しがあったとすると、トランプ政権下で石油・ガス増産を促進している米国とUAE、さらにベネズエラ等が連携して、化石燃料価格を低下させて、同燃料への需要を回復させる価格戦略を展開する可能性もある。
UAEの国営首長国通信が報じた。UAEがOPECに加盟したのは、アブダビ首長国が、UAEとなる前の1967年に加盟したのが最初。その後、1971年にUAEを建国後も加盟を継続した。原油生産量は日量約300万〜350万バレルとされ、中東では、サウジ、イラクに次ぐOPECの主要産油国とされる。
OPECからの加盟国の脱退は、2024年にアフリカのアンゴラが離脱して以来。2020年には南米エクアドルも生産調整に不満を抱き脱退している。2019年に脱退したカタールは、脱退後、液化天然ガス(LNG)開発に集中する姿勢を打ち出している。脱退国はいずれも、OPECの価格調整への不満を理由としている。
UAEは、2027年までに原油生産能力を同500万バレルまで高める計画を進めている。OPECから脱退すれば、同国も、これまでのようにOPECの生産枠にとらわれずに増産することが可能になる。UAEはOPEC内でもサウジアラビア、イラクに次ぐ主要産油国で、余剰生産能力も大きいことから、生産枠調整で主要な役割を果たしてきたが、同国の離脱でOPECの価格支配力は弱まることは間違いない。

UAEは、世界で最も低コストかつ低炭素の原油供給国とされてきた。それだけに、OPECを離脱して原油増産に動くことで、イラク紛争で価格上昇が広がっているガソリンや、産業用石油製品などの価格下落につながると、消費国国経済でのインフレ抑制につながる期待もある。消費者や世界経済全体にとって最終的には総じてプラスであり、より迅速かつ信頼性の高いエネルギー供給につながるとの見方もある。
UAEは長年にわたって、OPECの盟主であるサウジアラビアとは緊張関係を続けてきたとされる。増産に動きたいUAEと、高い価格を維持したいサウジとの利害が噛み合わないためだ。UAEのマズルーイ・エネルギー相はBloombergのインタビューで、戦争による混乱が、離脱の決断を促したと述べた。
同氏は「(OPEC脱退は)われわれの戦略全てを非常に慎重に時間をかけて見直した結果だ」とし、「適切なタイミングでの決定だと考えている。市場に甚大な影響を与えないからだ。市場は供給不足の状態にある」と続けた。
トランプ政権はこれまで、イラン紛争によって原油価格が上昇し、それに伴って国内のガソリン価格も上昇していることから、国民の政権への不満が高まっていることに不満を示し、OPECが原油価格をつり上げていると非難してきた。ただ、原油価格が大幅に下落すると、米国産のシェール油・同ガスの輸出力にも影響する。このため、ベネズエラを抑えている米国が、UAEなどと価格調整に乗り出す可能性もある。
(RIEF)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/BGXR45BOLJLCROGOH6XGJYCALE-2026-04-28/
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-04-28/TE7EMFT96OSG00#gsc.tab=0

































Research Institute for Environmental Finance