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国際電気標準会議(IEC)、洋上風力発電とフレキシブル直流送電を接続する国際標準の技術仕様の策定、中国主導で開始へ。中国、洋上風力製品の供給力に加え、規格づくりでも主導(RIEF)

2026-05-14 00:01:00

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写真は、中国南部の広東省珠海の洋上風力発電所=CGTNから引用)

 

 国際電気標準会議(IEC)は、洋上風力発電で発電した電力を、陸上経由で消費地に直流送電(VSC-HVDC)で系統網に接続して移送するための国際標準ルールとなる「洋上風力発電所の高調波評価技術仕様(IEC TS 63705 ED1)」の策定作業を、中国主導で開始することを明らかにした。洋上風力発電の最適開発地は、消費地から遠隔地となるケースが多く、大容量で長距離送電に適した自励式コンバータ使用の直流送電(VSC-HVDC:フレキシブル直流送電技術)の導入が進んでいる。今回、開始が決まったIECでの国際規格化作業は、洋上風力の発電側と送電側のHVCDの接続の技術仕様についての国際標準ルールを開発する。

 

 IECに対して同技術仕様の国際基準の開発を提案したのは中国。洋上風力発電技術の開発と発電電力の利用に力を入れている中国からは、設立されるワーキンググループの主査(コンビナー)に中国の専門家、Yan Li氏が就任するほか、リスト化された70人強の登録メンバーをみると、中国の専門家が過半の41人を占めている。独仏英米などからも専門家が参加し、日本からも2人が参加するが、中国勢が規格開発を主導するのは間違いない。

 

 今回採択されたIEC基準の規格化作業では、ともに、現在開発進行中の洋上風力発電所とフレキシブル直流送電事業という両方の技術の相互の影響を総合的に考慮し、風力発電事業による計画・建設・運用の各フェーズをカバーする高調波評価体系を国際共通基準として構築することを目指す。

 

 フレキシブル直流送電技術はVSC-HVDC(Voltage Sourced Converter-HVDC)方式のことで、自励式の変換器を使用するHVDCをいう。自身の回路内に蓄えたエネルギーで変電所内の変換器を動作させ、直流ー交流変換を行う方式だ。同方式では、ブラックアウト(大規模停電)が発生した場合も、外部の交流電源がなくても自身で直流ー交流変換を行えるのが特徴とされる。

 

 風力や太陽光等の再生可能エネルギーで発電する電力は、既存の火力発電等で発電する交流電気の基本波(60Hz)に対して、その整数倍の周波数を持つた高調波の電圧・電流となる。ただ、同高調波を中心とする電力の送配電電力品質への影響評価について、現状では国際的に統一された評価基準が整っていない。

 

 洋上風力発電は世界の再エネ開発では太陽光発電と並ぶ形で開発・利用が推進されている。太陽光発電に比べ、一基当たりの大型化が進んでおり、特に中国では複数の風力発電機メーカーが大型洋上風力発電の開発を競っている。今年初めには、中国南東部の福建省沖合に1基で20MWの発電が可能な超大型洋上風力発電所が据え付けられ、その試運転と、送電網への接続が行われた。さらに1基で26MWの発電が可能な洋上風力発電設備も実用化の準備が進んでいるとされる。https://rief-jp.org/ct5/164194?ctid=

 

 洋上風力発電事業の大型化の一方で、発電電力を消費地に移送するための送電方式については、フレキシブル直流送電が主流になりつつあるが、現状では風力発電の高調波電力をHVDCに接続する技術仕様の国際共通の標準が存在しない。このため、洋上風力発電普及の課題の一つとされている。

 

 IECは世界89カ国が加盟する電気電子分野の非政府間国際機関。日本では、国際標準化機構(ISO)と同様、経済産業省が実質的に責任を負っている(形式的には、同省の審議会の日本産業標準調査会が参加の形)。同省は2029年に、電力業界と連携して、横浜市でIEC大会を開催する方針を発表している。だが、中国が洋上風力発電の開発で世界を牽引するとともに、送電網との接続技術の国際基準開発でもリーダーシップを発揮するのに対し、日本は国内の洋上風力開発の先行き不透明感を払しょくできず、イベントの国内誘致しか国際的貢献をアピールできないということなのかもしれない。

                          (藤井良広)

https://www.iec.ch/osd/projects

https://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:38:506078966939683::::FSP_ORG_ID,FSP_PROJECT_ID:10072,134708

https://japanese.cri.cn/2026/05/06/ARTI1778075526115291

https://spap.jst.go.jp/china/news/260502/topic_3_03.html