サステナビリティ基準委員会(SSBJ)。SSBJ基準の任意開示段階で有価証券報告書に「同開示に適用」と記載するのは「不適切」と注意喚起。市場での「SSBJビジネス過熱」に警鐘か(RIEF)
2026-05-30 00:13:12
サステナブル基準委員会(SSBJ)は29日、有価証券報告書における気候関連情報やガバナンス関連情報等のサステナビリティ情報の開示に際して、開示内容がSSBJ基準のすべての定めに準拠していないにもかかわらず、「SSBJ基準に準拠している」等の記述が見受けられるとして、こうした記述は「不適切」とする「注意喚起」を公表した。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のサステナビリティ・気候関連基準を国内化したSSBJ基準に基づく情報開示は、現在は任意開示だが、金融庁は2027年3月の有価証券報告書開示から時価総額3兆円超の企業について義務化し、それ以降も段階的に開示対象を拡大するとしている。
SSBJ委員会の「注意喚起」は、任意開示の段階である2026年3月期のサステナビリティ開示におけるSSBJ基準の取り扱い状況を受けてのものとみられる。同委によると、現行の開示は義務ではないが、将来の義務化に向けて、自社のサステナビリティ関連情報のうち、SSBJ基準に合致するもの等を有報で開示して、その内容について「SSBJ基準に準拠」 等として記載する事例が見受けられるとしている。
同委は、有報においてサステナビリティ関連記載事項を開示するに際して、SSBJ基準のすべての定めに準拠していない場合であっても、「SSBJ基準の定めを参考にすることはできる」と考えられるとしている。「例えば、『ガバナンス』や『リスク管理』の開示にあたり、SSBJ基準の一部の定めを参考にして開示を行うことなど」としている。
しかし、同委は、そうした場合でも、「SSBJ基準のすべての定めに準拠していない場合は、SSBJ基準に準拠していると記述することはできない。SSBJ基準のすべての定めに準拠していないにもかかわらず、SSBJ基準に準拠しているかのような誤解を生じさせる可能性がある表現を用いて、SSBJ基準に言及することは適切ではない」と強調している。
同委は、「SSBJ基準のすべての定めに準拠していないものの、将来のSSBJ基準の適用に向けて前向きに取り組んでいることを示すために記載する」企業があることを(同委として)把握しているとしたうえで、「しかし、SSBJ基準のすべての定めに準拠していない場合、企業が行う開示の全部又は一部について、SSBJ基準に言及することは、SSBJ基準の定めに準拠している範囲及び程度に関わらず用いることができる表現であるため、有報の利用者の誤解を避ける観点から、不適切と考えられる」としている。
具体的な記述の例として、「SSBJ基準を踏まえて開示している」「SSBJ基準を考慮して開示している」「SSBJ基準を参考にして開示している」等の記述(これらは例示。これらに限らない)としている。
こうした「注意喚起」の背景には、金融庁による段階的な義務化適用措置が、2027年3月期(時価総額3兆円超)に続いて、2028年3月期(同1兆~3兆円)、2029年3月期(同5000億円~1兆円)と段階的に広がることから、将来適用対象となる企業に向けて、開示コンサルタント、監査法人などが、SSBJ事前対応ビジネス等を展開していることもあるようだ。
同委の注意喚起では、将来的にSSBJ基準のすべての定めに準拠する予定がある場合には、当期の有報でのサステナビリティ関連記載事項の開示において、「SSBJ基準のすべての定めに準拠することを予定している時期」や、「SSBJ基準のすべての定めに準拠することに向けた当期の進捗の状況」等を開示することはできるとしたうえで、「有価証券報告書の利用者の誤解を避ける観点から、この場合、当期においてSSBJ基準のすべての定めには準拠していない旨を明示することが適切」としている。SSBJが準拠するISSB基準への言及についても同様に扱うことが適切、としている。
(藤井良広)
https://www.ssb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/6/2026_0529.pdf
https://www.ssb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/6/20260313_01.pdf

































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