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日立製作所、台湾で洋上風力発電事業受注。台湾海峡に21機を設置、受注額は総事業費920億円のうち3分の1。台風対応のダウンウィンドウ型採用(RIEF)

2018-05-01 11:39:44

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 日立製作所は30日、ルクセンブルクの企業と共同で、台湾の洋上風力発電システム21基を台湾の公営電力大手、台湾電力から受注したと発表した。受注総額は250億台湾元(約920億円)で、日立分は3分の1(約300億円)。日立の風力発電事業で初の海外受注となる。

 

 (写真は、日立がパートナーを組んだヤン・デ・ヌル社による海洋電力ケーブル敷設状況)

 

 台北市内で調印式を行った。パートナー企業の「ヤン・デ・ヌル(Jan De Nul)」は洋上風力発電など海洋構造物の建築に実績がある。式典に出席した日立製作所の東原敏昭社長は「台湾は有力市場で、これをファーストステップにしたい。(発電機器などの)工場建設も考えている。台湾をアジア市場を攻めるハブにしたい」などと、海外展開に意欲を示した。

 

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 今回風力発電機器を建設するのは、台湾海峡にある中西部の彰化県沖の海域。「Changhua Offshore Wind Farm Project」と呼ばれる。台風の影響を強く受ける地域だが、日立が開発したダウンウィンド型風車は耐風性能が高く、日本海事協会(Class NK)の耐風機能の認証を得ている。

 

 現地には、発電能力5.2MWの能力を持つ日立製の風力発電機を21基設置し、総発電量は109.2MWとなる。ヤン社が現場での基礎デザイン、建設、設置、ケーブル敷設などを担当。日立は風力発電機器のナセルの製造、組み立て、運営と維持(O&M)等を担当する。

 

 5月から海底調査と地質技術調査を開始、基礎工事や風車の設置は2019年中に手掛ける。2020年夏にはテストを行う予定で、本稼働は20年末の予定。

 

ヤン・デ・ヌン社のこれまでの工事風景

ヤン・デ・ヌル社のこれまでの工事風景

 

 台湾は温暖化対策と電力確保のため、再生可能エネルギー発電増強計画を立てている。洋上風力発電については最終的に発電容量を4GWにまで拡大する方針だ。台湾電力もこの全体計画に沿って、2025年までに1GW、2030年までに1.8Gに能力アップする予定。

 

 日立とパートナーを組むヤン社は、海洋構造物の分野で世界的に活動している。年間売り上げは約20億㌦。洋上風力発電関連のほか、海底ケーブル敷設や、石油・ガスのパイプライン等の分野でも実績をあげている。

 

http://www.jandenul.com/en/pressroom/press-releases/jan-de-nul-and-hitachi-win-a-contract-for-21-52mw-wind-turbines-for-taiwan