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国際的な金融センターの競争力評価(GFCI)最新ランキング、ニューヨーク首位を維持するも2位ロンドンと僅差。東京は上海に抜かれ3位から4位へ。アジア勢が上位10位中6位を占拠(RIEF)

2020-09-26 17:17:34

GFCI001キャプチャ

 

 国際的な金融センターの競争力をインデックス評価する「Global Financial Centres Index(GFCI)」の最新評価で、首位のニューヨークと2位ロンドンの順位に変動はなかったが、スコアはEU離脱を決定したロンドンが改善、前回の24ポイント差から4ポイント差にまで肉薄した。前回3位の東京は、スコアは延ばしたものの、上海に抜かれて4位に後退。上位10位のうち6つがアジアの都市となっている。

 

 GFCIランキングは英国のシンクタンクのZ/Yenが2007年から毎年2回の割合で実施している。2016年からは中国の中国開発機関(China Development Institute:CDI)がパートナーとなって、毎年、3月と9月に公表している。今回の調査は28回目。世界111の金融都市を対象に、グローバルな金融専門家8549人からスコア評価を得て分析した。環境金融研究機構代表理事の藤井良広も回答者の一人。

 

 「GFCI 28」の主な特徴は、新型コロナウイルス感染の拡大や米中対立によるグローバル貿易・経済の不確実性等を反映して、前回の調査に比べると、全体の平均スコアは41ポイント(6.25%)下落した。各金融センターのスコアの変動率も比較的大きく、23のセンターでは10点以上の上昇を見せた一方、20のセンターは10点以上の下落となった。

 

 ただ上位10位のセンターはいずれも、前回よりスコアを伸ばした。それ以下の40のセンターをみると、12都市はスコアップだが、その倍以上の27都市でスコアが下落している。このことからコロナウイルス感染による不確実の高まりで、上位の金融センターへの信頼度が増した形だ。

 

 前回に続き首位の座を維持したのはニューヨーク。ただ、米中対立やコロナ対応等の影響から、スコアの上昇はわずか1ポイントにとどまった。2位のロンドンは一時は首位を続けていたが、ブレグジットの影響でスコアを下げ、2018年9月にニューヨークに抜かれた。その後、ニューヨークに水を開けられていたが、ブレグジットの影響を「消化」した形で、今回は差が縮まった。

 

 東京は上海に抜かれて4位に後退したが、スコアの差は1ポイント。日本の政権交代によって、市場の安定度が増したとの評価になると、次回の調査で東京が3位復帰が期待されるかもしれない。ただ、東京には、国際金融センターとしての魅力が取り立ててないことから、成長性の高い中国の金融センターを、継続的に上回れるかは微妙だ。

 

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