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中国の大手金融グループ「中国平安」、国連支援の責任投資原則(PRI)に署名。中国の資産保有機関の署名は初めて(RIEF)

2019-08-28 12:09:58

China1キャプチャ

 

  中国の4大保険会社の一つである中国平安保険等を傘下に抱える中国平安(Ping An)は、国連支援の責任投資原則(PRI)に署名した。中国の資産保有機関がPRIに署名したのは、同社が初めて。

 

 中国平安は、深圳市に本拠を置き、保険・銀行・投資関連の金融商品及びサービスの全機能を提供できる有数の金融グループである。総資産額は7兆1000億人民元(約1兆㌦)を超えている。

 

 グループには、保険会社の中国平安人寿保険株式有限公司(平安人寿)、銀行系の平安銀行株式有限公司(平安銀行)、投資会社系の平安信託投資有限責任公司(平安信託)、証券系の平安証券株式有限公司(平安証券)、アセットマネジメント系の平安大華基金株式有限公司(大華基金)などの子会社が含まれている。

 

 これまで、PRIへの中国企業の署名は、運用資産総額が4280億㌦(約45兆円)を抱える「China Life Asset Management Company」をはじめとする資産運用会社が21機関、サービスプロバイダーが10機関だった。平安保険の署名で中国の署名総数は32機関となった。日本の署名機関数は74機関となっている。

 

 中国平安は、今回の署名によって「中国の金融界での責任投資のベンチマーク役を果たしたい」と意気込んでいるという。

 

 PRIのCEO、Fiona Reynolds氏は「資産保有機関は投資チェーンにおいてもっともパワフルな影響力を持っている。中国平安に対しては、今後、他の中国企業が投資戦略にESG要因を盛り込むことを促進するリーダーシップを発揮することを期待している」と述べている。

 

 中国の証券規制委員会等の金融当局は、環境汚染物質を大量排出している上場企業に対して、自主的な情報開示を求めている。2020年には情報開示を規制に切り替える方針という。投資対象企業のESG情報開示の促進と、投資機関の選別強化によって、中国企業・産業のESG改善を促したい考えのようだ。

 

 PRIは中国市場を重視している。2017年には初の中国担当責任者としてLuo Nan氏を就任させた。以来、中国の金融界・投資家を対象としてワークショップやイベント等を展開している。今年は、気候関連剤情報開示タスクフォース(TCFD)提言の情報開示や、「Climate Action 100+」等への投資家の参加を推進している。

 

https://www.unpri.org/signatory-directory/ping-an-insurance-group-company-of-china-ltd/4759.article