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中国、新型の極地用砕氷船「雪竜2号」開発、南極観測に船出。船首と船尾の両方で砕氷可能。極地での調査・分析に威力を発揮(RIEF)

2019-10-16 21:36:03

China11キャプチャ

 

 中国は初の国産極地科学調査用砕氷船「雪竜(Xue Long)2号」を開発、南極調査のために送り出した。「雪竜2号」は既存の「雪竜号」とともに、中国第36次南極調査に従事する。中国は砕氷能力を高めた調査船を増やすことで、極地調査能力を高め、北極圏等での開発活動の基本データ取得に務めることになる。

 

 中国は北極、南極両地域の調査開発活動に意欲を示している。今回開発した雲竜2号は、そうした調査活動を大きく推進する役割が期待される。国家海洋局(State Oceanic Administration)極地調査弁公室の秦為稼(Qin Weijia)主任が、雪竜2号が南極に向けて初航海を行うことを宣言、同国の極地調査活動が新段階に入ることを伝えた。

 

 中国は南極に、長城、中山、崑崙、泰山の4カ所の観測基地を持っている。「雪竜2号」は、このうち、中山基地(Antarctic Zhongshan Station)で作業を行う。引き続き南極海の総合調査と長城基地(Antarctic Great Wall Station)での調査に参加する。帰国は、2020年3月下旬頃になる予定。

 

 中国は現在、5つ目の基地建設を調査しており、雪竜2号もこうした活動にも貢献するとみられる。5伴家の基地は、ロス海に浮かぶイネクスプレシブル島が建設候補地とされる。ロス海は南極の重要な縁海で、海洋資源が豊富なことで知られる。

 

 既存の「雪竜1号」は、全長167m。北極圏での多目的貨物船として、ウクライナのヘルソン造船所で1993年に建設された。その後、中国が1750万㌦で購入。上海の滬東中華造船で極地研究及び補給船へと改装された経緯がある。

 

 今回、新たに運航する「雪竜2号」は、1号より少し小ぶりの全長120m。ただ、船首と船尾の両方で砕氷できる強力な砕氷能力が売り物だ。中国がフィンランド企業と共同で設計し、上海の造船所で建設した。

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