HOME9.中国&アジア |熱波による猛暑、中国でも広がる。最高気温41.3℃。40℃以上の都市が86カ所も。厳格な新型コロナ感染対策の影響も上積み。南京市では地下防空壕を市民に開放も(各紙) |

熱波による猛暑、中国でも広がる。最高気温41.3℃。40℃以上の都市が86カ所も。厳格な新型コロナ感染対策の影響も上積み。南京市では地下防空壕を市民に開放も(各紙)

2022-07-13 22:07:31

Chinaキャプチャ

  世界の北半球で猛暑が続く中、中国でも上海に近い江蘇省の宜興市で12日、観測史上最高の41.3℃をつけたほか、上海等の各地で40℃前後の高温が続いている。同日午後までの時点で、86の都市で気温40℃以上の非常事態を示す赤信号が点滅している。13日も引き続き猛暑日が広がった。中国では新型コロナウイルス対策が厳重に求められ、人々は猛暑の中でのマスク着用による熱中症等に直面している。

 

 (写真は、南京市で市内の噴水で涼をとる子供たち=12日CNNから)

 気温非常事態の赤信号が灯った都市では、外部での建設事業や作業が中止されている。上海では1873年の観測開始以来、40℃以上の気温は15日しか記録されていないが、ここ数日は、その40℃水準で推移している。同市内では熱暑を避けようとする人々がアイスクリームや氷菓子等を飛ぶように買い求めている。同市の野生動物園では、ライオンやパンダ等の動物を熱暑から守るため、8㌧の氷が配布された。

 40℃前後の気温上昇の継続で非常事態の赤信号が灯っているのは中国の東部、南部地域。中国の都市の中で、夏の暑さの厳しさで知られる「3大灼熱地獄都市」の一つ、南京市では、政府当局が戦時の空襲対策として市内に設置されている地下退避壕を日曜以来、市民に開放している。ひんやりした防空壕にはWi-Fi設備や、書籍、ウォーター・ディスペンサー、さらに軽食用のマイクロウェーブ・オーブンも完備しているという。

 もう一つの「灼熱都市」の重慶市では、市内の美術館の一つで、中国伝統の破風型の屋根が「浮いて」しまったという。熱波によって屋根を止めていたタールが溶けたためとされる。同市では11日に赤信号を宣言している。長江と漢江が合流する武漢市も「灼熱都市」の一つ。同市では高温に加え、湿気、光化学スモッグの発生が懸念されている。

   気温40℃前後の高温都市は13日になって、浙江省、四川省、雲南省等にも広がっている。中国気象当局は、陝西省から江蘇省にかけての地域にかけて高温注意を呼び掛けている。

 気温上昇、熱波の影響は特に高齢者や弱者に影響を及ぼす。中国での熱波関連の死亡率は、1990年から2019年の間に4分の1増加し、19年には2万6800人に達している。特に65歳以上の高齢者は熱波の影響で死亡率が10.4%高くなっているという。このため中国各都市では、特に高齢者に対して気温上昇の危険性を警告している。

 専門家は、今回の気温上昇の継続は、中国近辺での2つの高気圧が相互に影響し合っているためとみている。一つは西太平洋にある亜熱帯高気圧で、もう一つはチベット高原を覆う高気圧。後者はペルシャ高原からチベット高原に移行したことで、西太平洋の亜熱帯高気圧との間で、中国本土を挟み撃ちの形で覆う形になっているとされる。

 ネットメディア上では、ハッシュタグ「#Heatstroke」へのアクセスが急増し、中国のソーシャルプラットフォームWeibo(微博)では245万ビューに達しているという。

https://www.theguardian.com/world/2022/jul/12/dangerous-heatwaves-engulf-parts-china-us-europe

https://edition.cnn.com/2022/07/13/china/china-heat-wave-shanghai-climate-intl-hnk/index.html