国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)。スイス・ジュネーブに新たな拠点(事務所)開設へ。主要な国際金融都市を網羅。米国はサンフランシスコだけ(RIEF)
2026-08-19 22:48:31
(写真は、レマン湖を望むジュネーブの街並み=Sustainable Finance Genevaのサイトから引用)
IFRS財団は18日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の国際拠点ネットワークにスイス・ジュネーブ事務所を追加することを明らかにした。欧州には現在、ドイツ・フランクフルトに拠点を置いているが、同事務所はISSBとEUの連携のための拠点との位置づけで、新たなジュネーブ事務所は「サステナブルファイナンスの主要な国際ハブであり、多国間協力のユニークな中心地で、われわれの活動にとってまさに理想的な環境」(エマニュエル・ファベールISSB議長)としている。
IFRS財団の理事会は同日、ジュネーブ事務所の開設を含めたISSBおよび国際会計基準審議会(IASB)の5カ年資金調達計画を承認した。
ISSBはこれまで、外部資金による「シード資金」によって北京、フランクフルト、ロンドン、モントリオール、サンフランシスコ、東京に、それぞれ事務所を設立してきた。今回の発表では、ジュネーブに事務所を設立するための資金協定の規模等については明らかにしなかった。資金提供者に関する情報は、来年発行予定のIFRS財団の2026年年次報告書に記載される予定としている。
ISSBの本部機能を持つフランクフルト事務所は「引き続きISSBのEUとの連携における拠点としての役割を果たす」としており、ジュネーブは欧州での3カ所目の拠点となる。その他の各事務所も「引き続き重要な機能を果たしていく」と述べた。
一方、同財団は、ISSBおよびIASBの委員数を現状の12人から、「8人から12人」に削減するため、IFRS財団の定款変更を行うことも明らかにした。ISSBの現在の委員数は12名であり、最大で現状維持、目標としては10人に削減する見通しとされる。
ISSBはすでに開示基準を公表している、サステナビリティ、気候関連の基準に続いて、自然関連情報については、IFRS実務指針として位置づけることを決めている。その開示基準としては、TNFD基準を実務指針に活用することで合意している。今年10月にアルメニアの首都エレバン(Yerevan)で開く国連生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)で指針の公開草案を示す見通し。https://rief-jp.org/ct12/167013?ctid=
気候関連等の開示基準は、すでに日本を含む45以上の国々でISSB基準に沿った国内基準化あるいはISSB基準そのままの採用が決まっている。このうち、2027年までには日本等、18の国々での企業が、ISSB準拠基準を用いて実際に報告書を発行することが見込まれている。ISSBは「サステナビリティ分野の情報開示でISSB基準・準拠の利用が拡大し続けることで、同開示基準は資本市場における共通言語となり、投資家にとって、より情報に基づいた投資判断を支えている」と普及の効果を強調している。
スイス経済界、及び、ジュネーブの関係者は、ISSBの事務所をジュネーブに置くという今回の決定について、ジュネーブが国際協力、金融、持続可能な開発の中心地としての役割を果たしていることを反映したもので、また今回の決定が、市場がサステナビリティ関連の開示の実施、比較可能性、および実用的な適用にますます注目している時期に行われたもの、として歓迎を表明している。
ジュネーブの金融界等で組織する「Sustainable Finance Geneva」は、「ISSBがジュネーブに拠点を置くことは、特に喜ばしい。持続可能な成果に向けて資本を動員するには、信頼できる情報、信頼性の高い枠組み、そしてリスクと機会に対する明確な理解が必要になる。したがって、財務上の重要性は単なる報告上の概念にとどまらない。それは、効果的な資本配分のための不可欠な基盤になる」とサステナブルファイナンスの意義を強調している。
(藤井良広)

































Research Institute for Environmental Finance