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みずほ銀行、丸紅参加のカタール最大の太陽光発電事業にプロジェクトファイナンスで3億3000万㌦協調融資。両面発電やロボット清掃など最新技術装備(RIEF)

2020-07-28 14:23:59

Catarl002キャプチャ

 

 みずほ銀行は、中東、カタ ールで最大となる太陽光発電事業の「アル・カルサ太陽光発電プロジェクト」向けの総額3億3000万㌦(約350億円)のプロジェクトファイナンスをリードアレンジャーとして組成した。融資は国際協力銀行(JBIC)との協調融資となる。事業は丸紅等が出資する事業会社が運営するもので、太陽光発電としては同国最大の800MWの発電量で、両面発電モジュールの設備としては世界最大級となる。

 

 「アル・カルサ」事業は、カタール西部のドーハから約80km離れたアル・カルサ地域の10㎢の敷地に建設される。第一次フェーズ部分(350MW)は、2021年第一四半期までに電力網に接続される予定で、2022年4月には全設備がフル稼働する。太陽光発電の建設・ 保守・運転(BOOT)を一括して行う。

 

 事業は、丸紅が「カタール発電造水会社」等と共同出資したSiraj Energy、丸紅、Total Solar International等が出資して設立する特別目的会社(SPC)の Siraj(1)が担う。丸紅はSPCに20.4%を保有する。総事業費は4億6230万㌦の見込み。事業全体のリード・ファイナンシャルアドバイザーはEYが就いた。

 

今年1月のSPCと電力会社の売電契約の模様
今年1月のSiraj(1)とカタール電力水公社との売電契約の模様

 

 発電した電力は25年間にわたり、カタ ール電力水公社(Qatar General Electricity and Water Corporation、KAHRAMAA) に売電する。建設する太陽光発電所は、太陽光資源を有効活用するため、太陽光追尾装置付きの両面発電モジュール200万枚を採用する。パネルの清掃用ロボットも装備するなど、最新技術を取り入れている。

 

 同発電所の発電量は、カタールの電力需要ピーク時の10%を供給できる。カタールは、産出する天然ガスの火力発電に電力需要の大部分を依存しているが、同国政府は「 Qatar National Vision 2030」を掲げて、再生可能エネルギーの開発を促進しており、今回の事業もその一環と位置付けられる。

 

 発電電力は2022年に同国で開催予定のサッカーワールドカップでの使用電力をカーボンニュートラルにするためにも活用される。CO2削減量はライフタイムで2600万㌧と見込んでいる。

 

  みずほ銀行は「これまでに培った豊富な電力事業への知見とプロジェクトファイ ナンスの実績を活かし、今後も国内外での再エネの発展と技術革新を支援し、気候変動への対応促進と脱炭素社会への移行支援に貢献していく」としている。(RIEF)

https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20200727release_jp.pdf

https://www.power-technology.com/projects/al-kharsaah-solar-power-project/