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栃木銀行、NTTデータ経営研究所と共同で、地域の中小企業のESG活動を評価するための独自の「ESGスコア」開発へ。地銀でのESG融資増大に対応(各紙)

2020-08-25 21:48:30

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 各紙の報道によると、栃木銀行はESG融資を推進するため、NTTデータグループと共同で、地域の中小企業のESG活動を数値化して評価する「ESGスコア」を開発する。大企業のESG評価は市場ベースでの取り組みが進んでいるが、地域の中小企業の場合、金融機関による評価が重要になるとの判断から、栃木の地域性も加味した独自の評価基準を設定する考えだ。

 

 日本経済新聞が報道した。ESGスコアづくりに協力するのは、NTTデータ経営研究所(東京)など。中小企業が取り組む事業の社会貢献度合いや、製造する製品・サービスの生産から消費、廃棄までのサイクルが環境に及ぼす負荷などの情報を、同行が持つ地域企業の財務情報とを組み合わせ、定量的に評価する方式の開発を目指しているとしている。

 

 試行版を2021年中に完成させ、栃木県内の取引先数社でスコアを試験的に算出する予定。その後、数年間モニタリングしたうえで、スコアの妥当性を検証し、ESG融資の拡大に活用するとしている。

 

 同行は、環境省の「地域 ESG 融資促進利子補給事業」の指定金融機関として、これまでも、省エネや再エネ事業等の設備投資を行う企業向けに、最大 1.0%、最長 3 年間の金利負担が軽減した融資を実施している。同融資に加えて、ESG/SDGs 融資は今年度で 1000 件250億円の 融資実行を目標としている。開発するスコアはこうした融資の推進に活用することになる。

 

 同行の地域創生室は「市場の評価を受ける大企業と異なり、地方の中小企業では地域金融機関がESGの取り組み状況を評価する目利きの役割が求められる」と説明。スコアの実用性が確かめられれば、スコアのシステムを、他の金融機関に外販する可能性もあるとしている。

 

 ESG投融資が広がる中で、地銀でも吸収フィナンシャルグループの鹿児島銀行では2018年にESGの専門部署を設けたほか、20年に入って同じくグループ傘下の肥後銀行、大分銀行、宮崎銀行とともにESG融資推進等の連携協定を結んでいる。また東邦銀行はESGに取り組む取引先に対して、3億円を上限に優遇金利での融資を実施している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62976170U0A820C2EE9000/