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三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)の株主総会、内外の環境NGOが提案した気候変動対応でのグリーンウォッシュ抑制策を求める株主議案を否決(RIEF)

2022-06-29 12:58:13

SMBCキャプチャ

 

  三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が29日開いた株主総会で、内外の環境団体等が提案していた気候変動対応でのグリーンウォッシング抑制を求めるの株主議案は否決された。可決に必要な3分の2以上の賛同を得られなかった。環境団体が今株主総会シーズンにおいて、SMBCのほか三菱商事、東京電力ホールディングス、中部電力に対して提出した気候対策を求める株主提案はいずれも否決されたが、機関投資家等からは一定の賛同を得た。

 

 (写真は、SMBCの株主総会の会場付近=日本経済新聞電子版より)

 

 SMBCと他の日本企業に気候対応を求める株主提案をしていたのは、豪州のマーケットフォース(MF)、国内の気候ネットワーク(KIKO)、350.org Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、FoE Japanの5団体。https://rief-jp.org/ct1/124268?ctid=67

 

 SMBCへの提案では、同社が表明している「2050年ネットゼロ」目標達成の誓約と、現状の投融資行動が一貫性を欠かないための「グリーンウォッシュ」抑制策を定款に記載するよう求めた。抑制策の内容は①投融資ポートフォリオに、短期(2025年まで)、 中期(2030年まで)の温室効果ガス削減⽬標を含む事業計画を策定②国際エネルギー機関(IEA)のネットゼロ排出シナリオに沿って、新規の化⽯燃料供給、関 連インフラ設備の拡⼤等への投融資を行わないー-の2点。

 

 提案に対してSMBCは「個別具体的な業務執行に関する事項を定款に規定することは適切ではない」等として、提案に反対を表明していた。定款変更に必要な株主の賛同は3分の2以上で、同提案への賛同率は現時点では公表されていないが、3割前後とみられる。3メガバンクへの気候関連の株主提案が提出されたのは、2020年のみずほフィナンシャルグループ、21年の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)続いて、3件目。

 

 一方、28日に開いた東京電力ホールディングス株主総会での環境NGOの提案への賛成率は9.55%(速報値)だった。中部電力に対する提案も否決されたが、賛成率は公表されていない。

 

 三菱商事の24日の株主総会でも、2件の株主提案への賛成率は否決された。提案の内容は、定款を変更し、パリ協定の目標と整合する事業計画を開示するよう求めた議案(賛成率20%)と、新規の重要な支出と温室効果ガス排出目標との整合性を開示するよう求めた議案(同16%)だった。https://rief-jp.org/ct7/124241?ctid=67