国連主導で組織されたネットゼロ銀行同盟(NZBA)は、銀行が投融資先企業の脱炭素移行を推進するための「トランジション(移行)ファイナンス」の報告書を公表した。電力、鉄鋼等の高炭素集約型産業に属する企業の移行への銀行支援を、政府も当該産業界も期待していることに応えるものだ。だが、銀行が、これらの企業に追加資金を供給すると、移行効果が得られるまでは銀行のScope3排出量(financed emissions)が増大するジレンマに直面する。報告書は、移行の効果を示す基準に、企業(銀行)が他社の排出削減への貢献分を評価する「削減貢献量(Scope4)」等の考えを提案している。ただ移行過程で生じる政策変更や技術ロス等の移行リスクへの対処には触れていない。
公表されたのは「Developin……
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