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サハリンⅡプロジェクトの環境汚染で 欧米NGOが融資金融機関を非難(日本のメガバンクも対象)(FGW)

2012-08-13 23:45:20

環境汚染等が問題となっているサハリンⅡ開発に伴う事業サイト
欧米の環境NGO3団体は、ロシアのガスプロム、石油メジャーのシェルが事業主体となって石油・ガス開発を進めているロシアのサハリンⅡ事業で、地域コミュニティや環境に多大な汚染が発生しているとして、事業主体と事業に投融資している英金融機関とを、OECDの多国籍企業行動基準違反にあたるとして、英、オランダ両国政府に改善策をとるよう要請した。NGOの要請の対象となった金融機関は欧米勢だが、同事業には日本の3メガバンクも融資をしている。環境NGOは「日本の金融機関も同様の課題を背負っている」と対応を求める姿勢を示している。

環境汚染等が問題となっているサハリンⅡ開発に伴う事業サイト




環境NGOは米国のPacific Environment と、サハリンの地元NGOのSakhalin Environment Watch、さらに、 Accountability Counselの3団体。対象となった金融機関は英国の Barclays、 RBS、Standard Charteredの3行だが、サハリンⅡには日本の三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行の3行も協調融資の形で参画しており、各NGOは、「日本の3メガバンクもOECDのルール違反を犯している」と追及していく構えだ。


Pacific EnvironmentのDoug Norlenは、同事業の主体であるシェルと各金融機関は、同事業のために設置されたthe Prigorodnoye Production Complexが、産出する石油やガスの生産の結果、地域のコミュニティや環境に対して汚染等の影響を及ぼしているという。各団体はOECDガイドラインに基づいて各国政府に設けられているNational Contact Points’ (NCPs)に対して、改善を提訴した。

彼らは、「Shell, RBS, Standard Chartered、Barclaysの各企業は、プロジェクトが引き起こす環境汚染、人権侵害の是正に失敗している」と指摘している。 サハリンⅡは国際金融機関が設けている自主的ガイドラインのエクエーター(赤道)原則の対象となっており、日本のメガバンクも事業開始に際して、環境・社会影響jについての審査に加わっている。

NGOの今回の提訴に対して、英国の3金融機関はコメントを出していないが、要請を受けた英政府NCPは、NGOや住民団体の批判を検討し、必要に応じてNGOと金融機関との間の調停を行うことになる。調停が不調に終わると、NCPはOECDガイドライン違反の事実があるかどうかについて、最終報告を発行することになる。

英金融機関への働きかけとは別に、各NGOは日本の3メガバンクに対しても、並行する形で、改善策の提示等を求めていく方針。

 参考情報: http://www.environmental-finance.com/news/view/2677