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日本政策投資銀行が環境不動産の評価・認証サービスを開始(FGW)

2011-04-29 13:38:24

 日本政策投資銀行は、新たに「DBJ Green Building認証制度」を創設した。同制度は、環境・社会への配慮がなされた不動産(Green Building)を対象に、DBJが独自に開発した総合スコアリングモデルを利用して、4段階の評価ランクに基づいた認証を行う仕組み。DBJはこれまで企業の環境配慮度を評価して優遇金利で融資する環境格付融資制度を開発してきたが、今回はそのノウハウを不動産評価に発展させた形だ。

新制度は、DBJの顧客が所有する事業用不動産の環境・社会面への配慮の度合いを評価することによって、ビルオーナーである顧客からステークホルダー(テナント、投資家等)への社会的アピール(IR・CSR活動等)を支援することが可能となる。併せてDBJは評価に基づいて当該顧客に対して投融資サービスを実施することで、顧客の不動産開発資金や、改修資金等の資金ニーズもサポートするという。

 評価は、不動産が持つ性能・特徴を「Ecology」「Rsiku management & Amenity」「Community & Partnership」の3項目5分野にわたって整理、各100点で合計58の設問を設けて、評価する。さらに革新的な取り組みについてはInnovation pointsを与える。スコアリングの結果、評価の高い順にプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4段階に格付けする。格付けの区分けは米国のGreen Building Council(USGBC)が開発したLEED(Leadership in Energy & Environmental Design)に似ている。

同制度では、ビルオーナーである顧客から「オーナーサイドのソフト面での取組努力を、分かりやすくステークホルダーへアピールできる仕組みが必要」との潜在的ニーズを受けて開発された。DBJはこれまで不動産ファイナンス分野で実績をあげており、その経験・ノウハウ等を踏まえている。今後、国内不動産マーケットにおいて、顧客の不動産管理・運営努力の「見える化」を支援するとともに、中期的にはGreen Buildingが適正に評価される不動産金融市場の整備・育成に向け取り組んでいくとしている。