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日本生命が保険窓販支援で三菱UFJ銀行に派遣した出向者が、銀行の内部情報を無断持ち出していた事件で、同様の問題が出向先7社、604件判明。日生の社内調査。「組織的ではない」と(RIEF)

2025-09-12 18:39:59

nisseiキャプチャ

 

 日本生命保険は12日、三菱UFJ銀行への日生からの出向者が、銀行の社内情報を無断で持ち出し、本社の担当部署と共有していた問題での社内調査結果を公表した。それによると、出向者による出向先企業の情報持ち出しが、三菱UFJ銀行だけでなく、出向先全体で7社、604件を確認したと発表した。同社が自社の生保商品の窓販業務で提携する主要金融機関の大半で、情報持ち出しが常態化していたことになる。しかし、同社は、持ち出し自体はそれぞれの社員が独自判断で行ったもので、組織的なものではないと弁明している。

 

 調査報告書によると、調査対象とした出向者109人のうち不正に関わったのは13人、不正を認識しつつ情報を受け取った日生側の社員らは23人だったとしている。日生副社長の赤堀直樹氏は、関係者の処分について社内規定に基づき検討中とし、「経営陣も本件を重く受け止めている。関係役員も対象になる」と説明した。

 

 出向先の情報を持ち出した出向社員も、受け取っていた本部の担当部門の社員も、「自らの定性的評価(上司からの評価)につながることも認識」して行ったと説明した。 出向者から銀行の情報を受け取っていた本部の担当者については、出向者がもたらす情報の「提供プロセス」についての「想像力を欠いていた」と説明。すべて担当社員らによる(自らの)社内評価向上の意図だった、と結論づけている。https://rief-jp.org/ct1/159010?ctid=68

 

 ただ、この説明だと、出向者から銀行の内部情報を受け取った本部の担当者が、同情報について「逆流厳禁」の文言を資料に付して、所属する担当部門の役職員で広く共有していたとの説明と、噛み合わない。銀行側に「逆流」させると、無断持ち出しが発覚するとわかっていたから「逆流厳禁」としたのではないか。つまり「不正な手段で入手した資料」という判断が、こうした対応から透けて見える。https://rief-jp.org/ct1/159113?ctid=68

 

 しかし、日生の報告書では、本部側の担当部局で取引関連のリスク等を評価する管理部門の担当者は、「出向者がもたらす情報について、その提供プロセスに関して『想像力』を欠いていた」と指摘している。さて、日生の管理担当者は個人的感覚の「想像力」で、管理業務をしているのだろうか。https://rief-jp.org/ct2/160488?ctid=68

 

 各紙によると、報告書を説明した副社長の赤堀氏は、出向先の保険販売実績や、担当行員の業績評価等の出向先の銀行等の内部資料を、日生内部で共有していたのは2019年以降の6年間で出向先7社506件に上ると明らかにした。銀行以外の代理店への出向者でも複数の代理店で情報の持ち出しがみつかったとしている。

 

 出向者が持ち出した情報が、当該企業の「営業秘密」に該当する場合は、不正競争防止法などに抵触する可能性がある。日生はこの点に関し「法の趣旨に照らして適切ではなかった」と説明したが、営業秘密にあたる情報があったかどうかの明言は避けた。再発防止策としては、来年4月以降、銀行に対する営業目的での出向を廃止するほか、今月から出向者に対する不正競争防止法等の遵守に関する教育・研修の実施を図るとしている。

                          (藤井良広)

https://www.nissay.co.jp/news/2025/pdf/20250912.pdf