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エクエーター原則の再改定(EquatorⅢ)に向けた作業開始へ(FGW)

2011-07-25 11:26:49

国際的なプロジェクトファイナンスによる環境社会影響を事前チェックする金融機関の自主行動原則であるエクエーター原則が再改定される。原則を推進している「The Equator Principles Associaton」は、来年3月の改定を目標として、今年7月から4段階の手順を経て、原則を再改定(EquatorⅢ)することを明らかにした。

エクエーター原則は2003年にシティバンクやバークレイズなどの欧米系国際金融機関が自主的に立ち上げた。ダムや発電所、森林伐採などの大規模プロジェクトに伴う環境破壊や地域社会への影響を、事業者の視点とは別に、金融の視点から事前にチェックして、当該プロジェクトに環境社会リスク管理を盛り込むことを定めている。2006年に改定している。日本からは3メガバンクが署名している。

今回の改定に先だって、同原則が立脚している国際金融公社(IFC)のPerfomance Standardsと Review processの改定結果が出たことから、エクエーター原則を構成する金融団体のAssociation も、再改定の手続きに入ることを決めた。

今回の改定の主なテーマは次の通り。

  • Scope of the EPs.

  • Reporting and transparency.

  • Governance issues, including membership criteria.

  • Stakeholder engagement during the EP III Update process (including industry and clients, peer financial institutions, and civil society organisations).


 

EquatorⅢの作業は4段階に分けて実施する。

まずフェーズ1は、7月から今年9月まで。Associationを構成する金融機関同士で、改定対象とするテーマの精査や、基本課題等について議論を進めて整理する。

フェーズ2は、9月から11月の間。原則参加ンバーの間でのコンサルテーションを実施するとともに、主要ステークホルダーとの事前の協議、さらにはEPⅢの枠組みのドラフト作成を実施する。

フェーズ3は、今年12月から来年2月まで。公式の60日間のステークホルダーとのコンサルテーション及び、パブリックコメント期間を設ける。

最後のフェーズ4は、来年3月目途で、それまでの議論を踏まえて、EPⅢをスタートさせる。

同改定作業に関しては、エクエーター原則署名の金融機関の行動をチェックしている国際NGO, BankTrackもフォローアップ作業を開始している。

http://www.equator-principles.com/index.php/all-ep-association-news/ep-association-news-by-year/83-ep-association-news-2011/209-ep-iii-update-process