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三菱UFJフィナンシャルが買収した英RBSのプロジェクトファイナンス資産の中身に関心(FGW)

2011-02-26 16:10:51

三菱UFJフィナンシャルグループは、昨年末に経営再建中の英ロイヤルバンクオブスコットランド(RBS)から、プロジェクトファイナンス分野の資産を約33億ポンド分、取得する契約を結び、日本のメガバンクで一躍、トップの国際プロファイ銀行となりしたが、その資産の中身への関心が環境NGOの間で高まっています。買収対象資産は、欧州、中東、アフリカの資産とされますので、世界の環境NGOが監視を続けているアゼルバイジャン、グルジア、トルコをつなぐ石油パイプラインのバクー・トリビシ・セイハン(BTC)プロジェクトなども含まれている可能性があります。またRBSは日本勢が中心となっているサハリンⅡ向けの融資も20億㌦分抱えており、この分がMUFJに帰属するのかどうかも焦点です。

リーマンショックで国有化されたRBSに対しては、これまで石炭火力向けなど温暖化加速につながる事業や、人権問題が絡む事業への融資等への批判が続いており、同銀行を国有化を機会に「グリーンバンク化」しようとのキャンペーもあるほどです。仮に再生RBSの資産がクリーン化の方向に収斂するとなると、これまで実施した高炭素排出事業など向けの投融資は、外部売却されることになり、MUFJの買取資産にもその種の問題融資が含まれているのではとの見方が出ています。MUFJの資産精査の結果の公表が待たれます。

Protests outside treasury over RBS oil investments (Feb, 24 2011:by BankTrack)

http://www.banktrack.org/show/news/protests_outside_treasury_over_rbs_oil_investments

MUFJの2010年第3四半期決算報告書から

【経営上の重要な契約等】

(1) 株式会社三菱東京UFJ銀行によるThe Royal Bank of Scotland Groupのプロジェクトファイナンス
関連資産の取得に関する売買契約書の締結について
当社の子会社である株式会社三菱東京UFJ銀行は、平成22年12月17日にプロジェクトファイナン
ス関連資産の取得に関して、The Royal Bank of Scotland Groupとの間で売買契約書(Sales and
Purchase Agreement)を締結いたしました。
取得資産はローン関連資産約33億ポンドであり、主にEMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)地
域における資源・電力及びその他のインフラ関連プロジェクトに関するローンにより構成されていま
す。また、上記ローン関連資産の取得に伴い、付随するデリバティブ取引に関する権利義務を主に当
社の子会社である三菱UFJセキュリティーズインターナショナル(ロンドン)が取得することになり
ます。
今後、ローン関連資産等の譲渡手続きは、関係者の合意等を前提として、平成23年半ばを目途にお
おむね完了する予定です。http://www.mufg.jp/ir/securityreport/2011mufg-3q/pdffile/yu_mufg11_3q.pdf