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三井住友フィナンシャルグループ、神戸市の糖尿病腎症患者向けのソーシャル・インパクト・ボンドのアレンジを引き受け(RIEF)

2017-07-20 21:50:48

SIB1キャプチャ

 

 三井住友フィナンシャルグループの三井住友銀行とSMBC信託銀行は、神戸市が計画している糖尿病性腎症患者の食事療法等の生活習慣の改善を通じて、ステージの進行/人工透析への移行を予防する事業を金融面から支援するソーシャル・インベストメントボンド(SIB)の発行のアレンジを行う、と発表した。

 

 SIBは、社会的課題の解決に民間のノウハウと資金を活用して、経済合理的な問題解決を目指すと同時に、投資先に対してビジネスリターンを確保する仕組み。2010年に英国で犯罪の再犯防止事業を民間委託し、刑務所の行政費用を減額することで生まれるキャッシュフローをリターンとする資金調達をボンドでまかなう仕組みとして誕生した。

 

 行政経費の削減分を、投資家のリターンとすることで社会的な問題解決と、行政経費の節減を同時に実現することを目指している。今回の神戸市のケースは、経済産業省が推進する「健康寿命延伸産業創出推進事業」(受託事業者:日本総合研究所)の一環として、糖尿病性腎症者が人工透析などへの移行を防止する健康管理事業を展開する。

 

 腎症者のうち、特に重症化リスクの高い方を対象とし、食事療法等の保健指導を行い、生活習慣の改善を図ることで、対象者がステージの進行/人工透析へ移行することを予防する。予定通りの重症化リスクの権限ができると、結果的に行政が負担する医療費負担が減額でき、対象者の健康維持も図れる。

 

 ボンドへ投資する投資家へのリターンは、行政経費の節減分を「ネガティブ・コスト」と評価して配分することで、一定のリターンを確保でき、行政の追加支出も抑制できる。神戸市の事業には、公益財団法人日本財団及びケイスリー株式会社などが参画する。

 

 三井住友フィナンシャルグループは、CSRの重点課題として「環境」「次世代」「コミュニティ」を掲げており、地域社会が抱える社会的課題を金融面からサポートする手段の一つとして、SIBのアレンジを引き受けることとした。

 

 経産省の補助事業には、八王子市での大腸がん検診受診勧奨事業も対象となっている。八王子市の場合、大腸がんの検診受診率が特に低い前年度未受診者を対象とし、対象者の過去の医療関連情報と人工知能を活用し、オーダーメイドの受診勧奨を行い、大腸がん早期発見を増やす活動を組み込む。それによって、早期発見が増えると、自治体が負担する医療費を削減できると同時に、受信者の健康維持を高めることが期待できる。こちらは、みずほ銀行が支援の検討を進めているという。

http://www.smbc.co.jp/news/j601433_01.html

http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170331014/20170331014.html