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全国銀行協会が行動憲章を改定。「SDGsの達成」や「ESG取り組み」を明記。SDGs推進取り組みの中で、TCFD調査も(RIEF)

2018-03-24 07:09:55

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 全国銀行協会(会長:平野信行・三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は、会員銀行と役職員の行動・倫理規範である「行動憲章」を改定、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の順守のほか、ESG課題への取り組みなどを盛り込んだ。行動憲章にSDGsを盛り込むのは、昨年11月に日本経団連がSDGsに合わせて企業行動憲章を改定したことを受けた措置だ。協会としてのSDGs推進体制や取り組み項目も決めた。

 

 行動憲章の改定部分は、第1条(銀行の公共的使命) の解説部分で「持続可能な社会の実現に向けた責務」として1項目を追加し、 環境問題、人権問題などの社会的課題への対応や、当該問題に取組むうえで のガバナンス体制の構築を進めることの重要性を記載した。

 

 第2条(質の高い金融サービスの提供)の 解説では、 ESG の考え方を踏まえた取組み、および取引先の経営に対する 金融機関のサポートの重要性について追記した。またSDGs は「誰一人取り残さない – No one will be left behind」を理念としており、金融機関も取引先の取り組みによる影響等も含めて人権を尊重する必要があるとの判断で、第5条(人権の尊重)を新設した。

 

 第7条(環境問題への取組み)に「気候変動リスクへの対応や融資ポリシーを包含する環境方針への 進化の必要性」を認識した上で、解説に、「気候変動への適応」という文言を 追加した。

 

  このほか、第8条(社会参画と発展への貢献)では 社会貢献活動にとどまらず、社会課題に関心を持つステークホルダーと協働のう え、社会に参画し、課題解決に貢献することが重要であることを明確化した。

 

 行動憲章の改定とは別に決定された「SDGs推進体制、および主な取り組み項目」では、中長期的な視点でSDGs課題に対する取組みを強化するため、推進体制と主な取り組み項目を整理、決定した。

 

 推進体制では、協会の企画委員会の下に「SDGs/ESG推進検討部会」を設置する。新部会は、関連する人権、決済、税等の検討部会と連携しながら、SDGsの推進に関する全体施策を推進する、としている。取り組み状況については年度ごとにPDCAサイクルを回してフォローアップする。

 

 SDGsの主な取り組み項目は、「会員行の取組み状況の把握等」など8分野を整理。各会員行を対象としたESGアンケートを実施するほか、従来取りまとめてきた「CSRレポート」を「SDGsレポート」に切り替えることなどを盛り込んだ。

 

 また4番目の項目で「TCFD提言と低炭素問題についての研究、対応」を位置付け、TCFDの提言への取り組みを内外で調査する、としている。ただ、調査の次はどうするのかは、明記していない。欧米の金融機関は、すでに「次の段階」の先陣争いを水面下で展開中とされる。

 

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https://www.zenginkyo.or.jp/news/detail/nid/9108/