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三菱UFJリース グリーンボンド発行を正式発表。5年もの100億円。利率は通常の普通社債より好条件。環境省の補助金不要を立証(RIEF)

2018-04-13 17:54:23

MUFGri-sキャプチャ

 

  三菱UFJリースは11日、同社として初となるグリーンボンドの発行を正式に発表した。期間は5年で、発行額は100億円。円建てだが、環境省の国内ガイドラインではなく、国際市場基準のグリーンボンド原則(GBP)への適合の確認をセカンドオピニオンで受けている。利率は0.180%で、同社が発行する同期間の普通社債よりも好条件となった。

 

 調達資金は、同社が手掛ける太陽光発電事業向け融資事業に充当する予定。従来の同社発行の普通社債の場合、利率は約2%だったが、それよりも約0.02%良い条件で発行できた。グリーンボンドの発行の場合、通常の普通社債との場合とは別に、グリーン性の評価を外部機関に委ねるコスト等がかかるため、発行コストが高くなるとの見方が一般的だ。だが、同社の場合、市場の投資需要が高かったことから、逆に発行コストが安くなったことになる。http://rief-jp.org/ct1/78259

 

 昨年12月に発行された戸田建設のグリーンボンドも同様に、通常の社債利率を下回る低コストで発行できている。環境省は同省が国内版として公表しているグリーンボンドガイドラインの普及のため、グリーン性評価の外部コストを、国の補助金で補填するモデル事例制度を今年度から導入している。だが、直近の市場でのグリーンボンドの実績は、補助金無しでも、低コストでの発行が可能ということを証明した形だ。戸田建設のグリーンボンドも環境省ガイドラインではなく、GBPへの適合を評価されている。

 

 逆にみると、今後、同省の補助金を受けて発行するグリーンボンドが出てくるケースは、投資家にとってあまり魅力のない発行体やプロジェクトに限定される可能性もある。そうなると、「モデル事例」というよりも、「限界事例」といったほうがピッタリするかもしれない。同省では補助金の上限を1発行体につき、5000万円まで出すという。1件の外部評価コストの数十倍の補助金(税金)を、そうした「投資魅力の薄いグリーンボンド」に、“モデル的”に投じることになりそうだ。

 

 三菱UFJリースのグリーンボンドのGBP適合性については、サステナビリティクスがセカンドオピニオンを付与した。債券自体の信用格付けは、格付け投資情報センターがA+、日本格付け研究所がAA-をそれぞれ付与した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が単独主幹事となった。

http://www.lf.mufg.jp/investors/library/pressrelease/0411.pdf