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気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)支援企業に、新たに日本取引所グループやりそなグループなど4社、日本企業は30社に達する。今後は、支援表明から実行へ(RIEF)

2018-11-05 21:49:39

TCFDキャプチャ

 

 気候関連情報を企業価値に反映させることを、企業、金融機関に求めた金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)報告への日本の支持企業に、新たに日本取引所グループ(JPX)、りそなグループなど4社が加わった。これにより、TCFD支持日本企業数は30社に達した。

 

 10月に新規支持を表明したのは、日本取引所グループ、りそなグループの情報評価をする2金融機関のほか、情報開示を求められる企業側から川崎汽船、三菱ケミカルホールディングスの2社が名乗りをあげた。支持表明企業は、自社の気候リスクとオポチュニティ(ビジネス機会)を、財務報告書や統合報告書等に開示する取り組みを求められる。

 

 この結果、日本勢は30社に達した。このほか、金融庁など公的な3機関が支持を表明している。日本勢の内訳は、ちょうど半分が金融機関、半分が企業となっている。金融機関では、銀行は3メガバンクと三井住友信託銀行、りそな、滋賀銀行の6行、損保はメガ3社、証券は野村、大和の2社と、各業態の主要機関は名乗りをあげている。ただ、生保は第一生命だけ、資産運用会社は日興アセットマネジメントだけと、限られている。

 

 生保は機関投資家の一角を占め、長期投資の視点で気候変動を含むESG要因の評価を重視し始めている。資産運用会社も、運用受託などではESG投資を推進している。しかし、自らの投資判断の情報開示に気候リスクを加味する点で、逡巡するところが多いとなると、「ESG投資」も信頼性を欠くことになりかねない。

 

 企業の支持表明は、電機やIT関連、住宅、商社等が中心で、エネルギー、鉄鋼、電力などのCO2高排出型産業はゼロ。また小売・サービス業も「様子見」なのか、ゼロ。TCFD報告への支持表明企業はグローバルではすでに500社を大きく超えている。

 

 支持表明企業は、早ければ来年の財務報告書、統合報告書などにおいて、自社の気候リスク・オポチュニティの現状、将来の動向等を開示することを求められる。有言実行というわけだ。

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